協同組合や企業でETCカード業務を長く担当していると、
- この処理は○○さんしか分からない
- 担当者が休むと、どこまで処理が進んでいるのか分からない
- 担当者が退職することになり、初めて業務全体を確認した
といった状況になることがあります。
ETCカード業務は、カードの発行・変更だけでなく、道路会社からのデータ処理、割引・手数料の計算、請求書作成、口座振替、ETCマイレージ、制度変更への対応など、さまざまな業務があります。
さらに、毎月同じ処理を繰り返す中で、担当者独自のExcelや手順、判断基準が増えていくと、少しずつ業務が属人化していきます。
普段は問題なく業務が回っていても、担当者の異動・退職・長期休暇などをきっかけに、業務が止まるリスクがあります。
今回は、ETCカード業務の中でも特に「担当者しか分からない状態」になりやすい業務を12項目に整理します。
1~4.日常のカード業務
ETCカード業務では、毎月の請求処理だけでなく、日常的にさまざまなカード管理業務が発生します。
1.ETCカードの新規発行・追加申請
新しい組合員や車両が増えた場合には、ETCカードの新規発行や追加申請が必要になります。
申請時には、
- どの書類が必要か
- 誰の承認が必要か
- どこへ申請するか
- システムへどのタイミングで登録するか
など、複数の作業が発生します。
こうした手順が担当者の経験だけに依存していると、担当者変更時に申請漏れや処理遅れが起こりやすくなります。
2.カードの再発行・紛失対応
カードを紛失した場合や、破損などによって再発行が必要になった場合には、利用停止、再発行申請、組合員への案内などを行います。
「どこへ連絡するのか」「システム上でどの処理をするのか」が整理されていないと、緊急時に対応が遅れる可能性があります。
3.車両入替・登録内容の変更
ETCコーポレートカードでは、車両の変更などに伴ってカード情報の変更手続きが必要になる場合があります。
車両情報とカード情報の関係を正しく管理していないと、
- 変更漏れ
- 二重登録
- 古い車両情報の残存
などが起こる可能性があります。
4.カードの配布・回収・利用停止
カードを発行した後には、組合員への配布状況や利用開始日、返却・停止状況なども管理する必要があります。
担当者個人のExcelやメモだけで管理していると、「現在どのカードが誰に渡っているのか」が他の担当者から分からなくなりやすい業務です。
5~8.月次の請求業務
ETCカード業務の中でも、特に属人化しやすいのが毎月の請求処理です。
毎月同じ担当者が行うため、少しずつ「その人しか分からないやり方」になりやすいためです。
5.道路会社・カード会社からのデータ取込
ETCカードの請求では、道路会社やカード会社などから受け取ったデータを処理します。
担当者が、
「このファイルをここから取得して、この順番で取り込む」
という手順を覚えているだけの場合、引き継ぎ時に処理が止まる可能性があります。
6.割引・還元・手数料の計算
ETCカード事業では、
- 道路会社の割引
- ETCマイレージの還元
- 組合独自の割引
- 各種手数料
- 組合費・カード管理費
など、複数の条件を反映して請求額を作成する場合があります。
特にExcelなどで個別計算を行っている場合、
「なぜこの計算式になっているのか」
が作成した担当者しか分からない状態になりやすいため注意が必要です。
7.請求書・明細の作成
請求額を確定した後は、組合員ごとに請求書や走行明細などを作成します。
このとき、
- どの帳票を出力するか
- どの項目を確認するか
- イレギュラーな組合員はどう処理するか
など、担当者独自の判断が含まれているケースがあります。
8.口座振替データ・請求後データの作成
請求書を発行して終わりではなく、その後には、
- 口座振替データ
- 請求一覧
- 会計用データ
- CSVデータ
などを作成する場合があります。
ファイル名、保存場所、作成手順、銀行への送信方法などが担当者だけの知識になっていると、引き継ぎ時のリスクになります。
9~10.制度変更・道路会社対応
ETCカード事業では、日常業務とは別に、道路会社の制度やデータ仕様の変更への対応が必要になる場合があります。
9.道路会社の制度変更への対応
高速道路の割引制度や料金制度などが変更された場合、システム設定や請求方法の変更が必要になることがあります。
制度変更の情報を、
「担当者がメールを見て判断している」
という状態では、担当者が変わったときに重要な情報を見落とす可能性があります。
制度変更について、
- どこから情報を取得するのか
- 誰が内容を確認するのか
- システム会社へ確認する必要があるのか
- 組合員へ案内する必要があるのか
を整理しておくことが大切です。
10.道路会社への申請・各種手続き
ETCカード事業では、NEXCOなど道路会社への申請や各種手続きが必要になる場合があります。
申請書の作成方法や提出先、必要書類などを特定の担当者だけが把握しているケースも少なくありません。
「前回のファイルをコピーして作る」といった運用を続けている場合には、正式な手順を一度整理しておくと安心です。
11.年次・定期業務
毎月ではなく、年に数回しか発生しない業務も属人化しやすいポイントです。
たとえば、
- カードの有効期限更新
- 定期的な登録情報の確認
- 契約・設定内容の確認
- 年度替わりに必要な処理
などです。
年に1回しか行わない業務は、前回の記憶や過去のファイルを頼りに処理していることもあります。
そのため、担当者が交代すると、
「昨年どうやったのか分からない」
ということが起こりやすくなります。
12.問い合わせへの対応
ETCカード業務では、組合員から、
- この利用明細は何か
- なぜこの割引額になっているのか
- カードを紛失した
- 車両を変更したい
- ETCマイレージについて確認したい
など、さまざまな問い合わせがあります。
長年担当している人であれば経験から回答できますが、その知識が本人の頭の中だけにあると、新しい担当者は毎回一から調べることになります。
よくある問い合わせと回答方法を整理しておくことも、重要な引き継ぎ対策です。
引き継ぎで残しておきたい3つの情報
引き継ぎ対策というと「マニュアルを作ること」を考えがちですが、すべての業務を詳細なマニュアルにする必要はありません。
まずは、少なくとも次の3つを残しておくことをおすすめします。
1.何をする業務なのか
業務の目的と、いつ行うのかを整理します。
例:
- カード追加申請:随時
- 請求処理:毎月○日頃
- 口座振替データ作成:毎月○日まで
- 有効期限更新:対象カード発生時
2.どのシステム・ファイルを使うのか
- 使用するシステム
- Excelファイル
- 保存場所
- 帳票
- 外部サイト
などを整理します。
特に個人PCや担当者独自のフォルダに保存されているファイルは、共有できる場所へ移しておくことが重要です。
3.判断が必要なポイントは何か
最も引き継ぎにくいのは、操作方法ではなく判断基準です。
たとえば、
- この場合だけ手数料を変更する
- この組合員は通常と違う請求条件になっている
- 差額が出た場合はこのデータを確認する
といった例外処理です。
こうした情報まで残しておくと、新しい担当者でも業務を引き継ぎやすくなります。
システムを活用すれば「担当者しか分からない」を減らせる
属人化のすべてをシステムだけで解決できるわけではありません。
しかし、
- カード情報
- 車両情報
- 組合員情報
- 割引・手数料設定
- 請求条件
- 過去の請求データ
などを一つのシステムで管理できれば、担当者個人のExcelや記憶に依存する部分を減らすことができます。
また、処理の手順や計算条件がシステム上で統一されていれば、
「担当者が変わるたびに業務のやり方が変わる」
という状態も防ぎやすくなります。
重要なのは、単に作業を効率化することだけではなく、
「誰が担当しても一定の方法で業務を行える状態を作ること」
です。
まとめ
ETCカード業務は、毎日・毎月繰り返す業務が多いため、同じ担当者が長く担当しているほど属人化しやすい傾向があります。
普段は問題なく業務が回っていても、
異動・退職・長期休暇などが発生したときに初めて、担当者しか分からない業務が多かったことに気づく
というケースがあります。
今回紹介した12項目について、
- この業務は他の担当者でも対応できるか?
- 手順や判断基準は残っているか?
という視点で一度確認してみることをおすすめします。
すべてを一度にマニュアル化する必要はありません。
まずは、
誰が・いつ・何をするのか
どのシステムやファイルを使うのか
どのような判断が必要なのか
を整理するだけでも、引き継ぎの負担は大きく変わります。
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- ETCコーポレートカード・ETCクレジットカードの管理
- 組合員・車両・カード情報の管理
- 道路会社データの取込
- 組合独自の割引・手数料・請求条件の設定
- 請求書・明細・口座振替データの作成
- ETCマイレージの処理
- カードの有効期限更新
など、ETCカード事業の日常業務から請求業務まで一元的に管理できます。
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ファーストアクセスの「ETCカード電算システム」はどのようなものか?は、以下のページをご参照ください。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

