ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、高速道路会社6社の社長人事について2026年5月19日の閣議にて了解された件についてご紹介したいと思います。

そもそも、なぜ高速道路会社の社長人事が閣議の了解を必要とするのか?ですが、これは、高速道路会社が、普通の民間企業ではなく「特殊会社」だからです。ちなみに各道路会社の株式は国(財務省)が所有しています。

なぜ閣議で扱うのか

高速道路会社6社は、2005年の道路公団民営化でできた会社ですが、

  • 国が強く関与
  • 巨額の公的インフラを管理
  • 国土交通行政と一体
  • 国が株式を保有
  • 通行料金・更新計画・債務返済などが公共政策そのもの

という性格を持っています。そのため、社長など重要役員については、単なる民間企業のように自由には決めず、第三者が評価する委員会を設け、役員として適任であると評価を受けることを条件とした上で、所轄大臣が内閣官房長官に協議の上で判断し、認可をするというルールとなっています。

以下、このルールのもととなった2010年5月18日に閣議決定された「特殊会社の役員人事に関する当面の対応方針」です。

「特殊会社の役員人事に関する当面の対応方針について」(2010年5月18日)

実際の流れ

概ね以下の流れです。

  1. 国交省が候補者を調整
  2. 第三者委員会で適任性評価
  3. 閣議了解(または閣議決定ベースの確認)
  4. 株主総会
  5. 取締役会で正式決定
  6. 国交大臣認可

特殊法人とは言え、あくまで株式会社であるので、正式には株主総会を経て、取締役会にて決定となります。株主総会は、毎年6月下旬に行われます。

今回の社長人事は?

新任は以下の3社です。

  • NEXCO東日本:吉岡 幹夫 氏(国交省OB、東大卒)
  • 首都高速   :青木 由行 氏(国交省OB、東大卒)
  • 本州四国   :三輪 正稔 氏(JR西日本OB、一橋卒)

再任は以下の3社です。

  • NEXCO中日本:縄田 正 氏(国交省OB、京大院卒)
  • NEXCO西日本:芝村 善治 氏(NEXCO西日本出身、東大卒)
  • 阪神高速   :上松 英司 氏(阪神高速出身、京大卒)

となりました。


高速道路会社6社の社長のうち、3社が国交省OB、2社がプロパー、1社が外部登用という形になりました。

公務員の天下りは、2008年12月から再就職あっせんが全面禁止となっていますが、実態としては、国交省OBが第三者機関で評価されたという形式で、特殊会社の社長に就任する事例が続いています。

本件については、首相官邸の閣議ページには記載がありません。理由としては、首相官邸の閣議ページに載るのは原則として

  • 法律案
  • 政令
  • 条約
  • 人事でも“決定事項としての閣議案件”

であり、高速道路会社社長人事は実務上

  • 「閣議決定」ではなく
  • 「閣議了解(事前同意・事後追認に近い行政調整)」扱い

なので、

  • 官邸:正式案件ではないため載らない
  • 国交省:人事の事実関係は会見で言及
  • 配布資料:報道向けに補足情報を出す

という形になります。

2026年5月19日の金子国土交通大臣の記者会見で言及されています。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

参照元(一次情報)