ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
2026年6月25日、首都高速道路株式会社は第21期(令和8年3月期)の有価証券報告書を公表しました。
有価証券報告書というと投資家向け資料というイメージがありますが、実は高速道路を利用する企業やドライバーにとっても興味深い内容が数多く掲載されています。
今回は、その中から特に注目したいポイントをご紹介します。
首都高速は1日約100万台が利用する「首都圏の大動脈」
首都高速道路は総延長327.2km。
東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県を結ぶ首都圏の物流・人流を支える重要インフラであり、1日平均約100万台が利用しています。
つまり、首都高速で起こる制度変更やサービス改善は、多くの企業活動や物流に直接影響します。
① 老朽化対策は最重要課題
首都高速では老朽化した道路や橋梁の更新・修繕を最重要課題として位置付けています。高度経済成長期に整備された路線が多く、今後も更新事業は長期間続く見込みです。
利用者にとっては、
- 工事規制
- 車線規制
- 通行止め
などが今後も一定期間続く可能性があります。一方で、安全性を維持するためには欠かせない取り組みでもあります。
② DX・AI活用が本格化
今回の報告書で特に印象的だったのがDXへの積極投資です。
首都高速では
- AIを活用した業務改善
- DXツール導入
- お客様センターの高度化
- 次世代交通システム
- DX人材育成
などを重点施策として掲げています。
高速道路会社も従来の「道路を維持する会社」から、「デジタル技術を活用するインフラ企業」へ変わろうとしていることが分かります。
③ 自動運転時代への準備も進む
報告書では、
次世代の都市高速道路への進化を目指し、自動運転への対応として求められる通信基盤のあり方について検討を進める
と記載されています。
つまり、
現在のETCだけではなく、
- 車車間通信
- 路車間通信
- インフラ協調
なども視野に入れた整備が始まっています。2030年代以降の高速道路は、現在とは大きく姿が変わる可能性があります。
④ 高速道路会社は「道路会社」だけではない
首都高速グループは、
- ETC設備保守
- 料金収受
- 交通管制
- パトロール
- 駐車場
- SA・PA運営
- 不動産
- コンサルティング
- 海外事業
など、多岐にわたる事業を展開しています。また、タイで事業会社を設立するなど海外展開も進めています。
⑤ 利益だけでは測れない公共インフラ企業
令和8年3月期は
- 営業収益:約3,572億円
- 経常利益:約7億円
- 親会社株主に帰属する当期純損失:約15億円
となりました。
一般企業であれば利益だけを見て評価されがちですが、高速道路会社は
- 巨額の更新投資
- 維持管理
- 災害対応
- 安全確保
を継続する公共インフラ企業です。そのため、短期的な利益よりも、安全性や持続可能な道路運営が重要視されています。
ETC利用企業にも関係するポイント
今回の報告書を見る限り、
ETC制度そのものがすぐに変わるという記載はありません。
しかし、
- DX推進
- AI活用
- 自動運転対応
- データ活用
が強調されていることから、今後はETCシステムや交通データの高度利用がさらに進むことが予想されます。
運送会社や協同組合にとっても、今後の制度変更やサービス拡充には引き続き注目しておきたいところです。
まとめ
今回の有価証券報告書から見えてきたのは、「首都高速道路は単なる道路管理会社ではなく、DXやAI、自動運転を見据えた次世代インフラ企業へ進化しようとしている」という姿です。
老朽化対策を着実に進めながら、AIやデジタル技術を活用し、安全性・利便性を高めていく――。
高速道路を日常的に利用する私たちにとっても、今後の取り組みを継続的にチェックしておく価値があるでしょう。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

