ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2025年4月6日~7日にかけて発生したNEXCO中日本の「ETCシステム障害」に対して設置された「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」が2025年4月22日に「当面の対策」を発表したので、内容をご紹介したいと思います。

委員会は非公開で行われました。

ETCシステム障害」の概要は以下の通りです。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

原因究明結果」は以下の通りです。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

システム障害の原因は、

送信後にデータを自動で消去する機能がシステムに入っておらず、データが蓄積されて別のデータを圧迫した。その結果、通行車両のETCカードが使用可能か判定するデータが破損されたため

と特定されたと発表されました。

システム障害の発生原因である「データ破損の状況」については、本来消去されるべきであった「前回の宛先データ」が蓄積されたままで「新たな宛先データ」を追加したために「ETCカードの判定データ情報領域」までデータが侵食し、「ETCカードの判定データ」が破損したとのこと。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

当面の対策はどうするのか?

システム障害を疑う目安」として

同一支社管内の複数の料金所(2箇所以上)で、1箇所当たり異常停止車両が30分間に10台発生

を設定した上で、以下の5つの当面の対策項目に対して、それぞれ対策を実施すると発表されました。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

  ① 料金所におけるETCレーンの運用
  ② お客さまへの情報提供
  ③ ETCシステム障害からの早期復旧
  ④ 本部体制の構築
  ⑤ 連絡体制の構築

具体的な対策は、以下の通りです。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より
「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より
「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より
「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より
「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

今回の事象の法的整理について

今回の事業における論点に係る法的整理がとりまとめられ、内容については、お客様にご理解いただけるように説明し、ETC通信が不能となるような今回を超える事象の扱いについては、有識者委員会での意見を踏まえ、国等と調整しつつ検討していくとのこと。

供用約款などに基づき、

  • 通行料金は「高速道路の利用の対価」として利用者が支払い、所要時間の保証はないため「払い戻し・支払い免除・減額」は行わない
  • 渋滞や遅延への損害賠償責任は瑕疵があるかないかに拘わらず、補償する責任は負わない

との見解を示しました。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

「深夜割引の見直し」はどうなるのか?

上記の資料にもあるように「深夜割引見直しの運用開始時期」については、

今回の再発防止に向けた必要な作業も踏まえて、
改めて工程の精査を実施していく

と発表されました。

今後のスケジュールについて

今回の「当面の対策」を受けて、再発防止に向けた意見交換を行った後に、6月中を目途に「再発防止策のとりまとめ」と「広域的なシステム障害への危機対応マニュアルの策定」を実施するとのこと。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

今回のシステム障害については、中野国土交通相から再発防止策や広域的なシステム障害への危機対応マニュアルをまとめ、6月中をめどに報告するようNEXCO中日本は求められています。

詳細については、以下のNEXCO中日本のサイトをご確認ください。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。