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2026年6月10日、本州四国連絡高速道路株式会社(本四高速)が令和7年度(2025年度)決算を公表しました。
本四高速といえば、瀬戸大橋、明石海峡大橋、大鳴門橋など、本州と四国を結ぶ世界有数の長大橋を管理・運営する高速道路会社です。
今回の決算では、通行台数が過去最高を更新する一方で、高速道路事業は営業赤字となる結果となりました。
その背景には、本四高速ならではの経営構造があります。
通行台数は過去最高を更新
令和7年度の通行台数は4,716万台となり、前年度比3.0%増で過去最高を記録しました。料金収入も702億円となり、前年度から4.5%増加しています。
物流需要や観光需要の回復に加え、本州と四国を結ぶ重要な交通インフラとして利用が拡大していることがうかがえます。
特に本四高速は、
- 神戸・鳴門ルート
- 児島・坂出ルート(瀬戸大橋)
- 西瀬戸ルート(しまなみ海道)
という3つのルートで本州と四国を結んでおり、物流・観光・地域経済を支える重要な役割を担っています。
料金収入は増えたのに営業赤字

一方で、高速道路事業の営業損失は7億円となりました。前年度はほぼ収支均衡でしたが、令和7年度は赤字へ転落しています。
なぜでしょうか。
決算資料を見ると、
- 道路資産賃借料が501億円
- 道路資産完成原価が210億円
となっており、いずれも前年度から増加しています。特に道路資産完成原価は前年度の90億円から210億円へと大幅に増加しました。
これは橋梁や道路設備の更新・修繕に関する投資が進められたことを示しています。
本四高速は「橋を守る会社」
NEXCO各社との大きな違いはここにあります。本四高速が管理するのは、世界有数の長大橋群です。例えば、
- 明石海峡大橋
- 瀬戸大橋
- 来島海峡大橋
などは、日本を代表する土木構造物として知られています。これらの橋梁は海上に建設されているため、塩害や強風など極めて厳しい環境にさらされています。
建設するよりも、維持し続けることの方が難しいとも言われています。
そのため、本四高速では継続的な補修や更新投資が欠かせません。
SA・PA事業は好調
関連事業は堅調に推移しました。
休憩所等事業の営業収益は19億円となり、前年度比9.2%増となっています。
背景には、
- 淡路SA(下り線)の新店舗オープン
- 地元特産品の販売強化
- 地域食材を活用した新メニュー開発
などがあります。
本四高速のサービスエリアは観光拠点としての色彩も強く、特に淡路島エリアは観光客の人気スポットとなっています。
インフラ維持の時代を象徴する決算
今回の決算で最も印象的なのは、
「利用者は増えている」
「料金収入も増えている」
「それでも利益は出にくい」
という構造です。
これは本四高速だけではありません。全国の高速道路会社は現在、
「建設の時代」から「維持・更新の時代」
へ移行しています。
特に橋梁は一度劣化が進むと補修費用が急増するため、早期の予防保全が重要になります。高速道路料金の徴収期間延長が議論されている背景にも、こうした更新需要の増加があります。
まとめ
本四高速の令和7年度決算は、通行台数4,716万台、料金収入702億円と過去最高水準を記録した一方で、高速道路事業は7億円の営業赤字となりました。
その背景には、世界有数の長大橋を維持・更新していくための継続的な投資があります。本四高速は単なる道路会社ではありません。
日本の土木技術の象徴とも言える橋梁群を次世代へ引き継ぐという重要な使命を担っています。
今回の決算は、「高速道路を造る時代」から「高速道路を守る時代」へ移行した日本の現状を象徴する内容だったと言えるでしょう。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

