ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、2025年12月23日に都市計画が決定した「下関北九州道路」についての基本方針をとりまとめるために国交省の有識者会議である「第5回 本州・九州連携小委員会」が開催されましたので、ご紹介したいと思います。
下関北九州道路の基本方針をとりまとめる会議体として、国土交通省の有識者会議である国土幹線道路部会の下に「本州・九州連携小委員会」が設置されることが、2026年1月21日開催された「第71回国土幹線道路部会」にて決定され、「第4回 本州・九州連携小委員会」は、2026年5月13日に開催されました。
そして今回、2026年7月16日に「第5回 本州・九州連携小委員会」が開催され、関係団体へのヒアリングと今後のスケジュール案が提示されました。
- 「西日本高速道路株式会社」へのヒアリング
- 「福岡北九州高速道路公社」へのヒアリング
- 現地視察結果(報告)
- 今後のスケジュール案について

どのような議論が行われたのか?
今回の委員会では、
- 西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)
- 福岡北九州高速道路公社
の2団体からヒアリングが行われました。
両団体とも、現在の関門橋・関門トンネルの維持管理状況や、今後の課題、新たな道路整備の必要性について説明を行っています。
ここでは、特に重要だと感じたポイントをご紹介します。
関門橋と関門トンネルは役割が全く異なる
資料を見ると、関門橋と関門トンネルは単に「2つのルート」が存在しているわけではありません。
それぞれ役割が大きく異なります。
NEXCO西日本の説明によると、
- 関門橋は山口県・福岡県を越える長距離交通を主に担う道路
- 関門トンネルは山口県・福岡県間の生活交通を支える道路
という役割分担になっています。
実際、関門橋では県境を越える広域交通の利用が約6割を占める一方、関門トンネルでは山口県・福岡県間の利用が約8割を占めているとのことです。
つまり、両者は競合する道路ではなく、利用目的そのものが異なっていることが分かります。
どちらも開通から半世紀以上が経過
もう一つ印象的だったのは、施設の老朽化です。
現在、
- 関門橋は1973年開通(開通から52年)
- 関門トンネルは1958年開通(開通から68年)
となっており、どちらも建設から半世紀以上が経過しています。
そのため、橋やトンネルそのものの補修だけでなく、
- 主ケーブル
- 床版
- 排水設備
- 照明設備
- 非常設備
など、大規模な更新工事が継続的に行われています。
特に関門トンネルは維持管理が非常に難しい
資料の中でも印象的だったのが、関門トンネルの特殊性です。
関門トンネルは海底トンネルであるため、
- 岩盤から1日約4,800トンもの湧水が発生
- 約20分ごとに排水ポンプで排水
- 万一排水できなくなると約3時間で海底部が冠水する恐れ
という極めて特殊な維持管理が行われています。
このため、排水設備や電源設備などについても、常時監視やバックアップ体制が整備されていることが紹介されました。
新たな事業計画もスタート
さらに今回の資料では、
令和8年1月に事業許可を受けた新たな事業計画についても説明がありました。
料金改定による財源確保を踏まえ、
- 老朽化した施設の更新
- 予防保全
- 交通機能の向上
などを計画的に進めていく方針が示されています。
委員による現地視察も実施
今回の小委員会では、ヒアリングだけでなく、関門橋や関門トンネルなどの現地視察結果についても報告が行われました。
実際に現場を確認したことで、委員の間でも次のような点について理解が深まったものと思われます。
- 関門橋と関門トンネルは、それぞれ異なる役割を担いながら相互に補完していること
- 両施設とも開通から半世紀以上が経過し、今後も大規模な維持管理・更新が必要であること
- 関門海峡を渡る交通が途絶えた場合には、本州・九州間の物流や地域経済に大きな影響を及ぼすこと
- 災害や事故に備えた「リダンダンシー(代替ルートの確保)」の重要性が非常に高いこと
現場を実際に視察することで、新たな本州・九州連絡ルートの必要性をより具体的に共有できたのではないかと感じました。
今後は国土幹線道路部会で議論へ
今後の小委員会では、関係機関からのヒアリングや現地視察結果を踏まえ、「基本方針」が取りまとめられる予定となっています。
とりまとめられた基本方針が国土幹線道路部会へ報告され、下関北九州道路の必要性や今後の整備の方向性について、さらに議論が進められる予定です。
引き続き、国土交通省の動向を注視し、新たな情報が公表されましたら当ブログでも分かりやすくご紹介してまいります。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

