ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2023年4月から一部地域で試行中の高速道路の「通勤パス(通勤パス割引)」のその後の状況についてご紹介したいと思います。

通勤パス(通勤パス割引)」は、平日朝夕割引の見直しのための試行で、国土幹線道路部会の「中間答申(2021年8月4日付け)」において、勤務形態が多様化している状況や、通勤時間帯に混雑している高速道路がある状況を踏まえ、「適用時間帯の柔軟化」および「通勤者の利用促進等の目的検討」について提言されたことを受け、試行している料金制度です。

名称は、当初は「フリータイム通勤パス割引」でしたが、最近では、「通勤パス」や「通勤パス割引」と呼ばれることが多くなっています。「新通勤割引」という人もいます。

「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

2023年4月から北陸道の一部で試行が開始されました。

その後、2024年4月から試行エリアが拡大されました。

現在は、2026年度中に「平日朝夕割引」に変えて全国に本格展開することを国土交通省は目指しています。

「通勤パス」の試行状況は?

  • 6地域で試行され、令和6年4月の通勤パス試行開始以来毎月2,200~2,300人の利用者が活用
  • 約9割が通勤目的で登録しており、1利用者あたり平均約32回/月利用
  • 試行前後と比較すると、高速道路の利用回数増加や利用時間帯の分散などの効果がみられた
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より
  • アンケート結果によると、通勤パス利用者の約6割が高速道路の利用頻度が増加したと回答
  • また、利用者の約4割程度が一般道利用から転換した新規利用者となっている
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

各エリアごとの試行状況は?

すべてのエリアで順調に試行が進んでいるようで、長崎県や新潟県では設定した上限の利用者が活用していているとのこと。ちなみに長崎県では試行開始前に1年分の通勤パスが完売したとのこと。

・北海道

  • 令和6年4月の通勤パス試行開始以来毎月200~220人の利用者が活用
  • 約9割が通勤目的で登録しており、1利用者あたり平均約33回/月利用
  • 試行前後と比較すると、高速道路の利用回数増加や利用時間帯の分散などの効果がみられた
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

・新潟県

  • 通勤パスを試行開始した令和6年4月は400人、以降、上限の500人の利用者が活用
  • 約9割が通勤目的で登録しており、1利用者あたり平均約34回/月利用
  • 試行前後と比較すると、高速道路の利用回数増加や利用時間帯の分散などの効果がみられた
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

・山梨県

  • 通勤パスを試行開始した令和6年4月は180人、以降利用者が増加し、7月には250人の利用者が活用
  • 約9割が通勤目的で登録しており、1利用者あたり平均約31回/月利用
  • 試行前後と比較すると、高速道路の利用回数増加や利用時間帯の分散などの効果がみられた
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

・石川県

  • 通勤パスを試行開始した令和5年度当初は520~530人、以降利用者が増加し、600人前後の利用者が活用
  • 約9割が通勤目的で登録しており、1利用者あたり平均約31回/月利用
  • 試行前後と比較すると、高速道路の利用回数増加や利用時間帯の分散などの効果がみられた
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

・香川県

  • 令和6年4月の通勤パス試行開始以降毎月270~320人の利用者が活用
  • 約9割が通勤目的で登録しており、1利用者あたり平均約27回/月利用
  • 試行前後と比較すると、高速道路の利用回数増加や利用時間帯の分散などの効果がみられた
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

・長崎県

  • 令和6年4月の通勤パス試行開始以降上限の500人の利用者が活用(令和6年3月中に通勤パスは12か月分完売)
  • 約9割が通勤目的で登録しており、1利用者あたり平均約36回/月利用
  • 試行前後と比較すると、高速道路の利用回数増加や利用時間帯の分散などの効果がみられた
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

現時点では、令和7年度はエリアを拡大するのか?拡大するなら場所はどこなのか?などの情報はありませんでした。

2023年4月の通勤パス開始時や2024年4月からのエリア拡大のどちらもその年の2月に発表があったので、2025年2月くらいに新情報が発表されるかもしれませんね。注目していきたいと思います。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。