ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2025年4月6日~7日にかけて発生したNEXCO中日本の「ETCシステム障害」に対して設置された「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」にて2025年6月23日に「再発防止策」と「危機対応マニュアル」の案が了承されましたので、内容をご紹介したいと思います。

これまでの経緯と流れ

NEXCO中日本の「ETCシステム障害」に対して設置された「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」が2025年4月22日に「当面の対策」を発表し、再発防止に向けた意見交換を行った後に、6月中を目途に「再発防止策のとりまとめ」と「広域的なシステム障害への危機対応マニュアルの策定」を実施する予定となっておりました。

どのような内容が了承されたのか?

広域的なETCシステム障害時にユーザーにご不便をかけないとの考えを徹底するために、「再発防止策」を取りまとめ、

広域的なETCシステム障害時にも、交通の流れを止めないよう、現場で即時に必要な対応を行う。広域的なETCシステム障害時において、料金徴収に必要な情報を把握できず、円滑な料金の徴収が困難となった場合は、料金を徴収しない。

「ETCシステム障害時」には「無料開放する」方針となりました。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

広域障害発生時の対応

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

「無料開放」については、現金払いもクレジット払いも同様の扱いとのこと。

広域障害発生時の料金所における対応

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

障害発生時の料金所の対応ですが、現地で即座に対応するための目安として「10台/30分」という異常停止車両数になったら上記の緊急対応を実施するとのこと。

ユーザーへの情報提供

障害発生時には、対策本部に情報担当者を配置して、さまざまな情報提供媒体を活用して情報提供するとのことで、会社HP、SNS、道路情報板、巡回車、ハイウェイラジオ、道路交通情報、デジタルサイネージなどが媒体としてあげられていました。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より
「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

ETCシステム障害からの早期復旧

障害発生時は、NEXCO3社へ障害事象を共有するとともに、システム改修時は作業内容もNEXCO3社で共有するとのこと。

影響が広域に及ぶ場合は、NEXCO3社だけでなく、他道路会社や公社へも情報共有を行うとのこと。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

約款の見直し方針

約款」については、

  • 料金徴収が困難な場合は、料金徴収をしないこと
  • 瑕疵(責任)の範囲に、システム障害を含めること
  • 損害が発生した場合は、賠償の対象になること

などの記載を追加する方針とのこと。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

「危機対応マニュアル」について

以下のような構成の「危機対応マニュアル」を整備し、広域的なETCシステム障害等の発生に備えるとのこと。

「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」の資料より

中野国土交通相から「再発防止策」や「広域的なシステム障害への危機対応マニュアル」をまとめ、6月中をめどに報告するようNEXCO中日本は求められています。

詳細については、以下のNEXCO中日本のサイトをご確認ください。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。


(追記)

この件について、2025年6月24日の中野国土交通大臣の定例記者会見の質疑応答にて記者からの質問に対して大臣が回答していましたので、ご紹介したいと思います。

(記者)

中日本高速のETC大規模障害をきっかけにした対応マニュアルが昨日まとまりました。利用者ファーストを高速道路会社に要請した大臣の受け止めと、今後特措法の関係の修正なども必要だと思うのですけれども、この進捗についてお尋ねしたいです。

(大臣)

ネクスコ中日本に対しては、6月中を目処に、再発防止策や広域的なシステム障害への危機管理対応マニュアルなどをまとめて、報告するよう指示していたところですけれども、昨日、6月23日にこれらについてとりまとめたという旨の報告を受けたところです。

改めて再発防止策の中身を申し上げますと、広域的なETCシステム障害時にお客様に同じような御不便をおかけしないという考え方のもと、一つは交通の流れを止めないように、即座にバーを開放するということ、もう一つは円滑に料金を頂くことが困難となった場合には、料金を徴収しないということを基本方針として、危機対応マニュアルを策定するとともに、約款においては、料金や損害賠償の取扱いを規定したものと承知しています。

私も利用者に御負担をおかけしないものとなったということを受け止めているところです。国としても、道路整備特別措置法に基づく告示があります。

これを7月上旬に改正して、広域的なETCシステム障害が発生した場合において、円滑な料金の徴収が困難になった場合は、料金を徴収しないということを、告示を改正してそのようするとしたところです。

ネクスコ各社におかれては、高速道路の建設・運営を業務とし、国民に対して責任を負っているという極めて公共性の高い会社であるということを踏まえて、お客様に同じような御不便をおかけしないようにということで、マニュアル等に基づいて、しっかりと取り組んでいただきたいと考えているところです。