ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2025年4月6日~7日にかけて発生したNEXCO中日本の「ETCシステム障害」についてNEXCO中日本の記者会見が2025年4月9日にありましたので、内容をご紹介したいと思います。

ETCシステム障害」の内容、時系列、対応状況は以下の通りです。

NEXCO中日本の資料より
NEXCO中日本の資料より
NEXCO中日本の資料より

障害発生当初は、2025年7月に導入予定の「新しい深夜割引」に向けた4月5日のプログラム更新が原因と想定されていたようですが、その後、4月5日のプログラム更新作業は障害には無関係ということがわかりました。

障害の直接的な原因は「ETC課金に必要なデータが破損していたため」とのこと。しかしながら、「なぜデータの破損が発生したか」は現時点では不明のようです。

現在は、手動によるデータ操作で暫定的にデータの整合性をとって応急措置をしているとのことで、原因究明と本格復旧の作業が続いているようです。

4月6日午前5時時点で、NEXCO中日本は、前日に更新したプログラムに不具合にあると推定して、プログラムを旧バージョンに切り戻す「ロールバック」を実行したようですが、システムが正常に稼働せず、むしろ障害が発生する料金所が拡大し、データの破損に気付いたようです。この事実がわかったのが4月7日午前3時頃だったとのこと。

4月7日12時に「ETC課金に必要なデータ」の配信を「自動」から「手動」に切り替えて実施し、14時に応急復旧により運用再開となったとのこと。

今回問題があった「ETC課金に必要なデータ」の詳細は明確になっていませんが、恐らくは、出口料金所ごとに中央システムからあらかじめ配信される「料金テーブル」データだと思われます。(※違っていたらすみません。。。)

この「料金テーブル」は複数経路が存在する場合、各経路の料金をすべて計算し最安経路を算出の上で事前に作成し、全国にある約1,200箇所、7,100レーンのサーバへ配信されているものです。

2025年1月15日開催された「第67回国土幹線道路部会」にてNEXCO3社が現在の料金システムを刷新した「新料金システムの開発」に着手中であることが明らかにされています。

新料金システムの開発を行っている理由ですが、今までの継ぎはぎでの改修が限界になったからとのこと。

現在の「料金システム」は特定のベンダーに依存していることも課題の1つと考え、ベンダーフリーを目指して、様々なプラットフォーム上で動作し、異なるベンダーが提供するコンピュータ・システム上でも利用可能なオープンスタンダードな「料金システム」の開発に着手しているとのこと。このあたりが今回の障害と関係しているのかどうか、非常に気になるところです。

今後、原因が究明されれば、その具体的な内容の発表と再発防止策が講じられると思われるので、注目したいと思います。

また、「大口・多頻度割引」の利用事業者については、

利用状況を確認しながら今後の対応を検討する

と発表されています。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。