ETCカードをご利用の皆さま、こんにちは。

今回は、新しい都市高速道路として整備が議論されている「熊本都市高速」について議論の進捗状況をご紹介したいと思います。

一昨日の2024年2月6日に、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に第2工場を建設すると発表しており、現在、熊本はホットな話題が多い地域となっております。

JASM Set to Expand in Kumamoto Japan – TSMC

以前、2023年2月に、熊本県と熊本市が「熊本都市高速」について本格的な検討に入ったことについてご紹介しましたが、TSMCの新工場も「熊本都市高速」と関連があります。

【熊本都市高速?】3本の道路を有料の都市高速道路方式で整備する方向で本格的に検討開始

その後、2023年11月30日に

熊本県と熊本市は「熊本都市高速」を整備する構想の具体化に向けて有識者委員会(熊本都市圏3連絡道路有識者委員会)を開催しました。

有識者委員会の設立趣意書には、委員会の目的は、以下と書かれています。

委員会は、熊本都市圏における新たな3つの高規格道路「熊本都市圏北連絡道路」「熊本都市圏南連絡道路」「熊本空港連絡道路」の概略計画(概ねのルート帯の位置や主な道路構造等)を決定することに関し、計画策定プロセスの透明性・客観性・合理性・公正性、計画内容の合理性を確保するため、多角的な視点で意見を述べることを目的とする。

委員会の委員には、熊本大学や熊本県立大学の教授、熊本経済同友会や熊本商工会議所のメンバーなどが選ばれています。

※ 「熊本都市高速」という名称は実際使われておりませんが、記事の内容をわかりやすくするために「熊本都市圏3連絡道路」を本記事では「熊本都市高速」という名称で表現しています。ご留意ください。

実際に、2023年11月30日に開かれた「第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会」において「これまでの検討状況」についての説明があったので紹介したいと思います。

これまでの検討状況の概要について

第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会 の資料より

「熊本都市高速」に関するこれまでの検討状況ですが、大枠の流れとしては以下のように検討組織を発足させたり、協議・検討を行ってきました。

熊本都市道路ネットワーク検討会 とは?

第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会 の資料より

2019年6月に発足した「熊本都市道路ネットワーク検討会」は、国、熊本県、熊本市で設立し、熊本市を中心とした新たに必要な道路ネットワークについて検討がなされました。

本検討会の構成員には、「熊本都市圏3連絡道路有識者委員会」の委員長になっている熊本大学の円山教授も含まれています。

2019年6月に開かれた「第1回検討会」では、熊本都市圏の課題として以下の4つがあげられました。

  • 本州・海外からの玄関口が有効活用されていない
  • 市内アクセスにはラストワンマイルが課題
  • 市内中心部(東西軸、南北軸)の交通混雑緩和が課題
  • 災害発生時の代替性の確保が課題

2022年10月に開かれた「第4回検討会」において、新たな3連絡道路を含む熊本都市圏の道路ネットワークの形成について関係者が連携して取り組むことと、整備計画について概略ルート(案)などの検討にあたり、地域との合意形成を図りながら進める準備に入ることとされました。

熊本県新広域道路交通計画 とは?

第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会 の資料より

2021年6月に策定された熊本県及び熊本市の将来像の実現に向けた広域道路ネットワークの基本方針・計画である「熊本県新広域道路交通計画」では、広域道路ネットワークとして、熊本市中心部から高速道路ICまでを約10分、熊本空港までを約20分で結ぶ「10分・20分構想」を新たに掲げ、3連絡道路を「高規格道路」として位置づけました。

※ 「高規格道路」とは、地域の実情や将来像(概ね20~30年後)に照らした事業の重要性・緊急性や地域の活性化や大都市圏の機能向上等の施策との関連性が高く、十分な効果が期待できる道路で、求められるサービス速度が概ね 60km/h 以上の道路

熊本都市圏連絡道路経済効果等検討会 とは?

第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会 の資料より

2021年11月に熊本県と熊本市で設立した「熊本都市圏連絡道路経済効果等検討会」は3回開催され、「10分・20分構想」の実現がもたらす様々な経済効果を検討した結果、2022年3月に開かれた「第3回検討会」にて

平常時に約1,500億円の経済波及効果が見込める

との内容をとりまとめました。

本検討会の構成員には、「熊本都市圏3連絡道路有識者委員会」の委員長になっている熊本大学の円山教授も含まれています。

熊本県・熊本市調整会議 とは?

第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会 の資料より

2021年11月に熊本県庁で開かれた地方自治法に基づく「熊本県・熊本市調整会議」では、蒲島熊本県知事、大西熊本市長、熊本県議会議長、熊本市議会議長が、熊本都市圏の新たな高規格道路3路線について協議し、

有料道路制度の活用を含めた早期整備すること

について合意しました。

熊本都市圏3連絡道路建設推進協議会 とは?

第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会 の資料より

2022年8月に、熊本都市圏3連絡道路の早期実現を図ることを目的として、蒲島熊本県知事を会長、大西熊本市長を副会長とした「熊本都市圏3連絡道路建設促進協議会」が発足し、2023年9月に開催した総会にて

熊本都市圏のみならず、県内全ての市町村が協議会に参加し、オール熊本として早期実現に向けて取り組む

ことを決定しています。


以上が、2023年11月30日に開かれた「第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会」において説明された「これまでの検討状況」です。

実際に「第1回委員会」で検討された内容については別の記事でご紹介したいと思います。

【熊本都市高速】対象区間や今後の進め方について(第1回 熊本都市圏3連絡道路 有識者委員会)

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。