ETCカードをご利用の皆さま、こんにちは。

今回は、新しい都市高速道路として整備が議論されている「熊本都市高速」について議論の進捗状況をご紹介したいと思います。

2023年2月に、熊本県と熊本市が「熊本都市高速」について本格的な検討に入ったことについてご紹介しました。

【熊本都市高速?】3本の道路を有料の都市高速道路方式で整備する方向で本格的に検討開始

その後、2023年11月30日に

熊本県と熊本市は「熊本都市高速」を整備する構想の具体化に向けて有識者委員会(熊本都市圏3連絡道路有識者委員会)を開催いたしました。

有識者委員会の設立趣意書には、委員会の目的は、以下と書かれています。

委員会は、熊本都市圏における新たな3つの高規格道路「熊本都市圏北連絡道路」「熊本都市圏南連絡道路」「熊本空港連絡道路」の概略計画(概ねのルート帯の位置や主な道路構造等)を決定することに関し、計画策定プロセスの透明性・客観性・合理性・公正性、計画内容の合理性を確保するため、多角的な視点で意見を述べることを目的とする。

委員会の委員には、熊本大学や熊本県立大学の教授、熊本経済同友会や熊本商工会議所のメンバーなどが選ばれていました。

※ 「熊本都市高速」という名称は実際使われておりませんが、記事の内容をわかりやすくするために「熊本都市圏3連絡道路」を本記事では「熊本都市高速」という名称で表現しています。ご留意ください。

評価対象区間・今後の進め方について

実際に、2023年11月30日に開かれた「第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会」において「対象区間や今後の進め方」について議論があったのでご紹介したいと思います。

対象路線は、高規格道路に位置づけられた「熊本都市圏北連絡道路」「熊本都市圏南連絡道路」「熊本空港連絡道路」のいわゆる熊本都市圏3連絡道路です。

評価対象地域としては、上記図に示す通り、熊本市の中心部と熊本空港、御船町役場を結んだエリアが示されました。

今後の委員会の進め方としては、政策目標(案)や地域の意見聴取方法(案)を作成した上で意見聴取を行い、政策目標、ルート帯案、評価項目を設定し、ルート帯案の比較評価を行い、最終手的には、地域の意見を踏まえた概略計画(案)の検討を行うとのこと。

委員からの主な意見

<今後の進め方について>

  • 3つの道路を同時に検討することは、国が行う道路事業と比較すると非常に規模が大きい。アンケートに答える側の負担も大きくなることが想定されるため、今後の進め方については工夫が必要。
  • 課題が含まれる内容について議論する際は、事業に関するリスクについて、正確な情報を住民や企業、専門家、行政等で共有し、相互に意思疎通を図ることを意識した検討プロセスが大事。
  • 住民参加型により丁寧に計画検討を進めることは大事だが、一方でスピード感を持って取り組むことも重要。
  • やるべきプロセスを省略すると逆に時間がかかることもあるため、本委員会では、住民参加型の道路計画検討プロセスの合理性をしっかりと確認していく必要がある。
  • 有料道路制度を活用した場合のメリットやデメリットを早い段階で示すべき。

<概略計画の検討について>

  • 熊本都市圏連絡道路経済効果等検討会は、TSMCの進出や物流の2024年問題がクローズアップされる前の議論だったため、このような社会情勢の変化にも着目すべき。
  • 「九州を支える広域防災拠点構想」や「熊本市中心市街地活性化基本計画」など、既存計画との整合を図るべき。
  • 道路整備による環境への影響についても、早い段階で示しながら検討を進めていくべき。

<意見聴取の方法について>

  • 最近はインバウンドの回復や、団体旅行やパッケージツアーではなく個人での海外旅行が増加しており、熊本を訪れた方々の中には、移動への不便さを感じている方もいると思われるため、観光客への意見聴取も必要。
  • これまでのアンケートの回答者は40~60代の方が多かったため、高校生など若い世代に答えてもらえる工夫が必要。
  • 関心がある方はアンケートに回答されるが、関心のない方や積極的な発言をしない方の意見を把握するためには、オープンハウスも有効な手段。
  • アンケートを実施する際には、今回検討する概略計画が何を意味するかなど、内容を分かりやすく説明したうえで、道路整備による良い面も悪い面も両方示すとともに、住民の方からのポジティブな意見もネガティブな意見もしっかりと把握することが必要。

以上が、2023年11月30日に開かれた「第1回 熊本都市圏3連絡道路有識者委員会」において審議された内容です。

今後さらなる審議が進むかと思いますので、引き続き、フォローしていきたいと思います。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。