ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

道路会社が運営する「高速道路の料金システム」が大きく刷新されるということをご紹介したいと思います。

2025年1月15日開催された「第67回国土幹線道路部会」にてNEXCO3社が現在の料金システムを刷新した「新料金システムの開発」に着手中であることが明らかにされました。

なぜ、「料金システム」の刷新が必要なのか?

NEXCO3社から「システム刷新理由」を以下のように報告しています。

100%確実な料金徴収を維持しながら、社会的要請や新たな取り組みなどの多種多様な料金施策へ短時間で対応するため、システム運用を止めることがないように継ぎはぎの改修を行ってきたが、更なる施策への対応には現行のシステムの改修だけでは限界がある

継ぎはぎでの改修が限界ということですね。

今までの「料金システム」はどのようなもの?

  • パンチカードシステムを用いた現金徴収から始まり、クレジットカード決済導入により中央システム運用開始
  • 初期の中央システムは起終点間の料金を正確に徴収するシンプルな作り
  • ETCシステムの導入は初期のシステムへ機能を追加することにより対応(継ぎはぎ改修)
「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

現在の「料金システム」はどのようなもの?

現在は、出口料金所ごとに中央システムからあらかじめ配信された「料金テーブル」を参照して即時の料金徴収をしているようです。

料金テーブル」は複数経路が存在する場合、各経路の料金をすべて計算し最安経路を算出の上で事前に作成しているが、多数の経路が存在することで、料金計算におけるシステム負荷が指数関数的に増大しているとのこと。

つまり、全国にある約1,200箇所、7,100レーンにそれぞれサーバを設置し、この「料金テーブル」を配信しているため改修を行う場合はすべてのサーバに影響があるということのようです。

「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

ネットワークの拡大や複雑化により、各ICペアごとに多数の経路が存在し、全経路計算で401億通りがあるとのこと。。。。

料金割引の種類が民営化時点から大きく増えていることがわかります。

「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

新しい「料金システム」はどんなもの?

「第67回国土幹線道路部会」では、現在の「料金システム」は特定のベンダーに依存していることも課題の1つと考え、ベンダーフリーを目指して、様々なプラットフォーム上で動作し、異なるベンダーが提供するコンピュータ・システム上でも利用可能なオープンスタンダードな「料金システム」の開発に着手していると報告されました。

そして、「新料金システム」では大きく2つの内容の実現を目指すとのこと。

 ・経路・時間帯による「経路別課金」を実現
 ・システム改修に要する時間の短縮を実現

「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

ここで重要となるのが、「経路別課金」というものですが、一体どのようなものなのでしょうか?

「経路別課金」とは?

「経路別課金」とは、各通行車両の出入、経路等のデータの蓄積により走行経路などに応じた課金方法であり、現在整備中の「フリーフローアンテナ」から通行データを集約して経路・時間帯別による課金を行うものとのこと。

「第67回国土幹線道路部会」 の資料より

今後、更なる料金施策に対して短期間に対応するために「新料金システム」の大規模開発を実施中とのこと。

どのようなシステムになるのか注目したいと思います。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。