ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2026年5月27日に、NEXCO西日本が公表した「高速道路の通行台数と料金収入」の月次資料をもとに、「関門トンネル」の料金収入が突然大きく落ち込んでいる件について、詳しく分析してみたいと思います。

実際に資料を確認すると、

  • 2026年3月実績 → 料金収入98.7%
  • 2026年4月実績 → 料金収入77.5%

と、わずか1か月で大幅に悪化していることが分かります。しかも、通行台数自体はそれほど減っていません。

なぜ料金収入だけが急減したのか?

かなり興味深いデータとなっています。

まずは実際のデータを確認

NEXCO西日本の資料では、関門トンネルの2026年4月実績は以下のようになっています。

  • 通行台数:前年比96.3%
  • 料金収入:前年比77.5%

つまり、

交通量は約4%減なのに、料金収入は約22%減

という状態です。これは通常の交通減少だけでは説明しにくい数字です。

1か月前はほぼ前年並みだった

さらに興味深いのは、1か月前の資料です。
2026年3月実績では、

  • 料金収入:前年比98.7%

となっており、ほぼ前年並みでした。つまり、

  • 3月 → ほぼ正常
  • 4月 → 急落

という動きになっています。単純な景気悪化や交通量減少であれば、ここまで急激な変化は通常起きにくいです。

なぜ「交通量」と「料金収入」がここまでズレるのか?

ここで重要なのが、関門トンネルの特殊性です。

関門トンネルは「ETC非対応」

実は関門トンネルは、全国のNEXCO管理道路の中でも極めて珍しく、現在もETCが利用できません。 そのため、

  • 現金
  • クレジットカード
  • 回数券

による利用が中心です。特に地元利用者や物流事業者では、「回数券」の利用比率が高いと考えられます。

ポイントは「回数券販売タイミング」

ここが今回の分析で最も重要な点です。関門トンネルでは、

「実際に通行した月」と「回数券を購入した月」が一致しない

可能性があります。つまり、

  • 3月に回数券を大量購入
  • 4月にその回数券を使用

ということが起こり得ます。この場合、

  • 3月の料金収入は増える
  • 4月の料金収入は減る

一方で、

  • 実際の通行台数は大きく変わらない

という現象になります。
今回のデータは、まさにその動きに近い印象があります。

「値上げ」が影響した可能性も

2026年6月1日から、関門トンネルは料金改定を予定しています。

普通車は、

  • 現行160円
  • → 230円へ値上げ

となります。 さらに重要なのは、NEXCO西日本が、

  • 新回数券販売開始:2026年4月30日
  • 旧回数券は6月1日以降使用不可

としている点です。 つまり利用者側からすると、

「旧券を余らせたくない」

という心理が働きやすい。特に、

  • 60回券
  • 100回券

を利用する物流会社などは、在庫調整をかなり意識すると考えられます。
その結果、

  • 4月後半に回数券購入を控える
  • 必要最低限しか購入しない

という動きが発生した可能性があります。

「大型車減少」の影響もありそう

もう一つ考えられるのが、大型車交通の減少です。
関門トンネルは車種別料金差が大きく、

  • 普通車:160円
  • 大型車:260円
  • 特大車:420円

となっています。 そのため、

  • 大型車比率が低下
  • 普通車中心になる

だけでも、料金収入は大きく下がります。特に近年は、

  • 関門橋利用へのシフト
  • 物流再編
  • 2024年問題
  • 燃料価格上昇

など、大型車交通に影響する要因も増えています。

ただし「利用者激減」ではなさそう

今回の数字を見る限り、

急に利用者が大幅減少した

というよりは、

  • 回数券販売タイミング
  • 在庫調整
  • 車種構成変化

などが複合的に重なった可能性が高そうです。実際、通行台数自体は96.3%であり、「交通崩壊」と言えるほどの減少ではありません。

むしろ注目すべきは「関門トンネルの経営構造」

今回の資料から見えてくるのは、

関門トンネルの収益構造の弱さ

です。関門トンネルは、

  • 海底トンネル
  • 巨大換気設備
  • 排水設備
  • 老朽化対策

など、維持管理コストが極めて高いインフラです。 一方で、

  • 料金水準は低い
  • ETC未導入
  • 収入規模も小さい

という課題を抱えています。そのためNEXCO西日本は、

  • 段階的値上げ
  • ETC導入
  • キャッシュレス化

を進めようとしているわけです。

まとめ

今回の「料金収入77.5%」という数字は、かなりインパクトがあります。

ただし、

突然、利用者が激減した

というよりは、

  • 回数券販売タイミング
  • 値上げ前の在庫調整
  • 大型車減少
  • 関門橋へのシフト

など、複数要因が重なった可能性が高そうです。今後、

  • ETC導入
  • 料金改定
  • キャッシュレス化

が進むことで、関門トンネルの料金収受構造は大きく変わっていくかもしれません。月次データを見るだけでも、かなり興味深い変化が見えてきますね。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

参照元(一次情報)