ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
2026年7月31日、首都高速道路株式会社は、2026年10月1日から実施する新料金の詳細を公表しました。
2026年7月31日には、料金改定が正式決定したことを速報としてお伝えしました。
今回、首都高速道路株式会社から、車種別の基本料金、具体的な区間別料金、大口・多頻度割引、都心流入割引、外環道などを連続利用する場合の変更点を含む詳しい説明資料が公表されました。
本記事では、この新しい資料をもとに、実際にいつ、どの車種の料金が変わるのか、協同組合や運送会社にどのような影響があるのかを詳しく整理します。
2026年7月31日、首都高速道路株式会社は、2026年10月1日午前0時から首都高速道路の通行料金を改定すると正式に発表しました。
今回の料金改定では、普通車の1km当たりの料金が約1割引き上げられ、普通車の上限料金は現在の1,950円から2,130円になります。
一方、運送事業者への影響を考慮し、中型車・大型車・特大車については、2027年6月30日までの9カ月間、現行料金に据え置かれます。
さらに、大口・多頻度割引の拡充措置も継続されますが、将来的には割引率が段階的に縮小されるため、協同組合や運送会社にとっては、今回の値上げだけでなく、2027年7月以降、2030年7月以降、2031年4月以降の変化も重要です。
今回は、首都高速道路株式会社が公表した説明資料をもとに、料金改定の内容と物流事業者への影響を整理します。
今回の料金改定のポイント
先に結論を整理すると、今回の発表のポイントは次のとおりです。
- 料金改定日は2026年10月1日午前0時
- 1km当たりの料金を約1割引き上げ
- 全車種の平均改定率は8.1%
- 普通車の上限料金は1,950円から2,130円
- 普通車の下限料金300円は据え置き
- 中型車以上は2027年6月30日まで現行料金に据え置き
- 大口・多頻度割引の拡充措置は継続
- ただし、中型車以上は2030年7月から割引率を縮小
「2026年10月1日から全車種が一斉に値上げされる」という単純な内容ではありません。
軽・二輪と普通車は10月1日から新料金になりますが、中型車・大型車・特大車については、物流対策として値上げの実施が9カ月間延期されます。
なぜ首都高速道路は料金を改定するのか?
首都高速道路株式会社は、今回の料金改定の理由として、主に次の点を挙げています。
- 労務費の上昇
- 材料費の上昇
- 道路構造物の老朽化対策
- 大雪などの災害対応
- 安全・安心な道路サービスを継続するための維持管理費
- 維持管理に携わるエッセンシャルワーカーへの適正な労務費の確保
首都高速道路の維持管理コストは、直近10年間で約1.4倍まで上昇しています。
しかし、現在の維持管理費には、昨今の急激な労務費や材料費の高騰が十分に反映されていないため、必要な維持管理を安定的、計画的に行うための財源を確保する目的で料金を引き上げると説明しています。
料金改定後の単年度収支のイメージでは、労務費等の増加に対応するため、計画管理費などが年間約200億円増加するとされています。一方、物流対策として実施される割引拡充の規模は、約300億円とされています。
1km当たりの料金を約1割引き上げ
普通車の場合、1km当たりの料金は次のように変わります。
現行:29.52円/km
改定後:32.472円/km
約3円/km、率にすると1割の引き上げです。
ただし、基本料金には固定部分があり、下限料金や上限料金も設定されているため、すべての利用区間が一律10%値上げされるわけではありません。
2024年度のETC利用実績をもとに算出した全車種の**平均改定率は8.1%**です。
車種別の基本料金はどう変わる?
2026年10月1日以降の車種別基本料金は、次のとおりです。
| 車種区分 | 現行料金 | 改定後料金 |
|---|---|---|
| 軽・二輪 | 280円~1,590円 | 280円~1,740円 |
| 普通車 | 300円~1,950円 | 300円~2,130円 |
| 中型車 | 330円~2,310円 | 330円~2,520円 |
| 大型車 | 400円~3,110円 | 400円~3,410円 |
| 特大車 | 550円~5,080円 | 550円~5,570円 |
下限料金は現行の金額が維持されます。
また、長距離利用者の負担増加を考慮し、上限料金の設定距離も現行と同じ55kmのままです。55km以上利用した場合は、引き続き55km分の料金が上限となります。
ただし、中型車・大型車・特大車については、後述する特別措置により、2027年6月30日までは表中の新料金ではなく、現行料金が適用されます。
普通車の具体的な値上げ例
普通車・ETC利用の場合、代表的な区間の料金は次のように変わります。
| 利用区間 | 現行料金 | 改定後 | 値上げ額 |
|---|---|---|---|
| 川崎浮島JCT~空港中央 | 300円 | 320円 | +20円 |
| 京葉道接続~錦糸町 | 420円 | 450円 | +30円 |
| 中央道接続~箱崎 | 780円 | 840円 | +60円 |
| 川口JCT~葛西 | 1,260円 | 1,370円 | +110円 |
| 三ツ沢接続~三郷JCT | 1,950円 | 2,130円 | +180円 |
短距離区間では値上げ率が6~7%台、長距離区間では9%前後となる例が示されています。
普通車の平均移動距離に相当する利用では、料金は810円から880円へ、70円の値上げとなる想定です。
中型車以上は2027年6月末まで現行料金に据え置き
運送会社や協同組合にとって、最も重要なのが中型車以上に対する特別措置です。
中型車・大型車・特大車については、道路運送事業における価格転嫁に向けた環境整備を進めるため、次の期間は現行料金に据え置かれます。
2026年10月1日から2027年6月30日まで
つまり、軽・二輪と普通車は2026年10月1日から値上げされますが、中型車以上については、実質的な料金改定が2027年7月1日まで延期されます。
ただし、これは値上げの中止ではありません。
2027年7月1日以降は、原則として次の新料金が適用されます。
- 中型車:最大2,520円
- 大型車:最大3,410円
- 特大車:最大5,570円
運送会社や協同組合では、2026年10月だけでなく、2027年7月の料金変更も見据えた試算が必要です。
大口・多頻度割引の拡充は継続
首都高速道路の大口・多頻度割引については、現在の割引率拡充措置が延長されます。
軽・二輪、普通車については、条件を満たした場合の合計最大割引率45%が、2031年3月31日まで継続されます。
中型車以上についても、2030年6月30日までは、合計最大45%の割引率が継続されます。
ただし、「最大45%」は、すべての利用に自動的に適用されるわけではありません。
車両単位の月間利用額や契約者単位の利用額などの条件を満たし、さらに中央環状線の内側を通過しないなど、拡充分の適用条件を満たした場合の最大値です。
中型車以上は2030年7月から最大25%へ縮小
中型車以上については、2030年7月1日から2031年3月31日までの9カ月間、大口・多頻度割引の拡充分が縮小されます。
合計最大割引率は、次のように変わります。
最大45%
↓
最大25%
これは、2026年10月から2027年6月まで中型車以上の基本料金を現行料金に据え置くための財源を確保する措置と説明されています。
さらに、2031年4月1日以降は、現行の拡充措置が終了し、全車種の合計最大割引率は12%となる予定です。
大口・多頻度割引の今後のスケジュール
協同組合や運送会社への影響を時系列で整理すると、次のようになります。
2026年10月~2027年6月
- 軽・二輪、普通車は新料金
- 中型車以上は現行料金に据え置き
- 大口・多頻度割引は最大45%を継続
2027年7月~2030年6月
- 中型車以上も新料金へ移行
- 大口・多頻度割引は最大45%を継続
2030年7月~2031年3月
- 中型車以上は新料金
- 中型車以上の割引率を最大45%から最大25%へ縮小
- 軽・二輪、普通車は最大45%を継続
2031年4月以降
- 全車種の大口・多頻度割引は最大12%
したがって、物流事業者にとっては、次の3つの時期が特に重要です。
- 2027年7月:中型車以上の基本料金が値上げ
- 2030年7月:中型車以上の割引率を縮小
- 2031年4月:全車種の拡充措置が終了
今回の発表を「2026年10月からの値上げ」だけで捉えると、中長期的な影響を見落とす可能性があります。
都心流入割引なども2031年3月末まで継続
今回の料金改定にあわせて、2026年9月末までとなっていた次の割引も2031年3月31日まで延長されます。
- 都心流入割引
- 都心流入・湾岸線誘導割引
また、環境ロードプライシング割引と深夜割引については、現行の割引が継続されます。
ただし、1km当たりの料金水準が引き上げられるため、都心流入割引などの適用後料金についても、一部変更されます。
中型車以上については、特別措置期間終了後の2027年7月に、割引後の料金が再度変更される区間があります。
圏央道や外環道を利用する場合も料金が変わる可能性
今回の影響は、首都高速道路を直接利用する区間だけに限りません。
首都圏では、同じ出発地と目的地の間に複数の経路がある場合、首都高経由と圏央道・外環道経由の料金差を調整する「起終点を基本とした継ぎ目のない料金」が導入されています。
そのため、首都高経由の料金が引き上げられることに伴い、条件によっては、首都高を通行せずに圏央道や外環道を利用した場合の料金も変更されます。
また、次の割引についても、首都高部分の料金変更に伴って適用後の料金が変わります。
- 外環道迂回利用割引
- 千葉外環迂回利用割引
首都高を直接走行していないため影響がない、と単純には判断できない点に注意が必要です。
協同組合・運送会社への影響
今回の料金改定による影響は、利用車種によって大きく異なります。
普通車を利用している場合
普通車は2026年10月1日から新料金になります。
営業車やライトバンなど、普通車区分のETCカードを多数発行している場合は、10月利用分から請求額が増加します。
中型車以上を利用している場合
2027年6月末までは現行料金が維持されるため、2026年10月時点で基本料金の増加はありません。
ただし、2027年7月からは新料金になるため、運送事業者はその時点までに、荷主との運賃交渉や価格転嫁を進める必要があります。
大口・多頻度割引を利用している場合
2030年6月末までは、基本的に現在の拡充措置が継続されます。
しかし、中型車以上については2030年7月から割引率が縮小され、2031年4月には全車種の拡充措置が終了します。
特に協同組合では、割引率の変化が組合員への還元額や組合の収益構造に影響する可能性があります。
今回の内容は、ETCカードの実務担当者だけでなく、理事長、役員、事務局長、運送会社の経営者にも共有しておくべき内容です。
今後確認しておきたいこと
料金改定までに、次の点を確認しておくことをおすすめします。
- ETCカードごとの車種区分
- 首都高速道路の月間利用額
- 普通車と中型車以上の利用割合
- 大口・多頻度割引の現在の適用率
- 2027年7月以降の料金増加額
- 2030年7月以降の割引率縮小による影響
- 組合員への還元方法や手数料体系
- 荷主への価格転嫁や運賃改定のスケジュール
特に、中型車以上を多く利用する事業者については、2026年10月時点では料金が据え置かれるため、影響が先送りされたように見えます。
しかし、2027年7月には基本料金が上がり、その約3年後には大口・多頻度割引も縮小されます。
複数の段階に分けて負担が増えるため、各時点の利用実績をもとに試算しておく必要があります。
まとめ
首都高速道路の料金は、2026年10月1日午前0時から改定されます。
普通車では1km当たりの料金が約1割引き上げられ、上限料金は1,950円から2,130円になります。
一方、中型車以上は物流対策として、2027年6月30日まで現行料金に据え置かれます。
大口・多頻度割引の拡充措置も継続されますが、中型車以上は2030年7月から最大25%へ縮小され、2031年4月以降は全車種で最大12%となる予定です。
今回の料金改定は、単なる2026年10月の値上げではありません。
協同組合や運送会社にとっては、
- 2026年10月
- 2027年7月
- 2030年7月
- 2031年4月
の4段階で影響を確認する必要があります。
今後、具体的な区間別料金やETCカード利用実績への影響についても、引き続き情報を確認していきたいと思います。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

