協同組合や物流系企業でETCコーポレートカードの運用担当をしている方、これから運用しようと準備中の方、こんにちは!

今回は、めったに発生しませんが、電算システムによっては請求モレや請求ミスがおきる可能性があるコーポレートカードの「車両入替時の旧カード」についてお話したいと思います。

(かなり業務寄りの話なので一般の利用者の方はスルーしてください)

協同組合、法人、個人に関わらず、ETCコーポレートカード発券の契約を各道路会社と行っていれば、「走行明細データ」の「有料提供サービス」を申し込むことができます。「走行明細データ」には「OTINFO」と「OTMEISAI」という2種類のデータがあります。

ETCコーポレートカードの利用に係る走行明細データの有料提供サービスとは?

この「走行明細データ」を電算システムに取り込んで、毎月の請求書を作成するというのが一般的な方法ですが、「走行明細データ」における「車両入替時の旧カード」のデータパターンには仕様書などでは明示されていませんが、考慮にいれなければいけないデータパターンがあります

それが、

新カード利用後に旧カードを再度利用した時のデータパターン

です。

コーポレートカードの車両入替の場合、新カードが発券されるまでは、旧カードを利用し、新カードが発券されれば、差し替えて、旧カードを返却するというのが一般的です。

しかし、一旦、新カードへ差し替えた後、なにかの手違いで、再度、旧カードを利用するというケースがありえます。その場合、旧カードの利用タイミングによっては通常とは異なるデータパターンが発生します。

問題となるのは、「OTMEISAI」ではなく「OTINFO」です。

例えば、組合員番号「12345」にて4月上旬に車両入替申請を行い、4月下旬に新旧カード( 旧カードA、新カードB )の差替えを行ったのに、4、5、6月ともに新旧両方のカードを利用したケースを想定します。

この場合、「OTINFO」には、4月走行分、5月走行分は、

  旧カードAは、組合員番号「12345」
  新カードBは、組合員番号「12345」

の走行となるデータパターンになりますが、6月走行分以降からは以下です。

  旧カードAは、組合員番号「00000」
  新カードBは、組合員番号「12345」

の走行となるデータパターンになります。

上記のようなデータパターンになる理由は、恐らくですが、車両入替後、2カ月ほど経過するとNEXCOから関連情報が削除され、旧カードではなく、組合員が割り当てられていないカードとして走行データが作成されているからではないかと思われます。

NEXCOは、カード差し替え後に速やかに旧カードを返却することを求めているので、差し替え後、2カ月以上経過したのちも旧カードを利用することを想定していないのだと思われます。(当然だと思います)

このデータパターンが発生した場合ですが、カード番号をキーとした処理をしていれば特に問題ありませんが、組合員番号や組合員番号を含めた複合キーなどで処理をしている場合に問題が発生する可能性があります。

これは、NEXCOだけでなく、首都高、阪神高、本四のすべての「OTINFO」で起こります

非常にレアなケースで、起こる可能性はかなり低いですが、実際に何回かこのデータパターンを処理した経験があります。車両不一致や割引停止などとも連動した電算システムの場合は、このあたりを考慮しておかないとなにかしらの不具合が起こる可能性がありますので、ご注意下さい。

今回は、電算システムによっては請求モレや請求ミスがおきる可能性があるコーポレートカードの「車両入替時の旧カード」についてご紹介しました。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。