ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、首都高速と連結しているので首都高速だろうと多くの人が思っている「東京高速(通称:KK線)」についてご紹介したいと思います。

東京高速(KK線)は、首都高速と3カ所で接続している約2kmの道路です。

  ・「西銀座JCT」で「首都高八重洲線」に接続
  ・「京橋JCT」と「汐留JCT」で「首都高都心環状線」に接続

末端全てが首都高と直結しているので、首都高と一体化してネットワークを形成していることからも多くの人が首都高速だろうと思っていますが、「東京高速(KK線)」は首都高速とは別の会社が運営し、さらに無料です。まさに、銀座の無料高速道路です。

運営しているのは、「東京高速道路株式会社」です。

この「C」の字のような形のKK線の中には銀座がすっぽり入っています。

首都高速HPより

東京高速道路株式会社」は、戦後の銀座の復興と飽和点に達した自動車交通量の緩和を目的に、財界人23人が発起人となり1951年に設立された会社です。

道路下の賃貸スペースを運営し、その収益で道路の建設費と維持管理費に充てているため、通行料は無料となっています。

 ・高速道路施設の土地は東京都から貸借
 ・外堀、汐留川、京橋川を埋め立てて高架道路を建設
 ・道路下で14棟のビル賃貸業を運営(テナント数は約400)
 ・道路建設費と運営費をビル賃貸収益で回収し、通行料無料を実現
 ・交通量は約3万台/日
 ・大型車は通行規制あり

国土交通省の資料より
国土交通省の資料より
国土交通省の資料より

ちなみに、川を埋め立てて高速道路を建設していますが、現在も「KK線」は、住所が決まらないままとなっています。銀座8丁目と新橋の間にある「KK線」の道路下に「銀座ナイン」という施設があります。銀座には8丁目までしかないのですが、住所が決まっていないため銀座9丁目をイメージさせる「銀座ナイン」という名称が使われました。

また、昭和33年にヒットした「銀座九丁目は水の上」という曲がありますが、これは、KK線が川を埋め立てて造られたことを曲名にしています。

では、なぜ「KK線」と呼ばれているのでしょうか?

現在は、首都高速が民営化し、首都高速道路株式会社となっていますが、以前は、首都高速道路公団という名称でした。首都高速とネットワークが一体となっているため東京高速の道路を区別するために「株式会社線」の頭文字をとって「KK線」とされたと言われています。

そんな「KK線」ですが、大型車が通行できないことから、首都高速の新ルート「新京橋連絡路」整備に合わせて廃止されることが決定し、高架部の再活用方法が東京都により検討が進められています。

新京橋連絡路」は、首都高の日本橋区間地下化に伴う代替路であり、全線が地下となり、八重洲線から京橋というルートになります。開通は2035年が予定されています。

KK線の再活用の検討ですが、2023年2月8日に東京から「東京高速道路(KK線)再製の事業化に向けた方針(案)」が公表されました。

東京都都市整備局の資料より

内容としては、以下のようなものです。

 ・KK線上部空間と地上とを縦方向の導線でつなぎ歩行者系ネットワーク形成
 ・KK線上部空間を緑豊かな歩行者空間に整備
 ・整備主体は、東京高速道路株式会社を基本とする
 ・京橋三丁目東地区など周辺まちづくりとの連携
 ・KK線廃止後の2020年代中頃に整備着手
 ・全区間の整備完了は2030年代から2040年代を目標時期とする

基本的には、高速道路部分は、歩行者空間とし、カフェやイベントが行えるスペースを設けて収益事業の一部とする方針「スカイコリドー化」で、維持管理については、今までと同様に賃貸収益を充当するとのこと。

東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(案) より
東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(案) より
東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(案) より
東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(案) より
東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(案) より
東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(案) より

東京都は、2023年度中に「東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針」を策定する予定とのことで、2023年2月9日(木)~2023年3月10日(金)までパブリックコメントを実施しています。

詳細は、以下のサイトをご確認下さい。

東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(案)

そんなKK線ですが、2023年5月4日~5日(2日間)に実際に車両通行止めにしてイベント(銀座スカイウォーク)が行われます

銀座スカイウォーク(銀スカ)とは?

東京都が主催するKK線の将来の姿を体験するイベントです。新橋から京橋まで約2kmの歩行者空間を体感するウォーキングガイドツアーやステージイベント、トークセッションなどを実施。次世代モビリティの試乗や飲食イベントも行われます。

銀座スカイウォークHPより

 ・実施日時
    2023年5月4日 13:00-20:00
    2023年5月5日 09:00-17:00
 ・実施会場
    KK線上<再生モデルエリア>
 ・参加方法
    事前応募申込抽選制
 ・参加費
    無料
 ・応募期間
    2023年3月17日(金)14:00~4月7日(金)17:00
 ・応募先
    銀座スカイウォーク公式サイト

銀座スカイウォークHPより

応募はすでに締め切られていますが、当選された方は、未来のKK線が見れるかもしれません。

最後までご覧いただきありがとうございます。