ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、2024年6月27日に国交省、警察庁、総務省にて立ち上げられた「第1回 自動運転インフラ検討会」が開催されたことをご紹介したいと思います。
自動運転の実現を支援するため、インフラの在り方を検討することを目的に、「自動運転インフラ検討会」 は設立されました。
「第1回 自動運転インフラ検討会」の議題は以下の5つでした。
1.自動運転インフラ検討会について
2.高速道路におけるインフラ支援について
3.一般道におけるインフラ支援について
4.自動運転システムに対する情報提供に係る検討事項について
5.今後の進め方について
非常に資料も多く、多岐にわたる議題を取り扱っているため、今回は「高速道路におけるインフラ支援について」に絞ってご紹介いたします。

高速道路において自動運転に必要とされるインフラ機能として、以下の5つがあげられていました。
1.合流支援情報提供システム
2.先読み情報提供システム
3.道路、交通管理
4.切替拠点
5.自動運転車優先レーン
それぞれ個別に紹介いたします。
1.合流支援情報提供システム

- 合流支援情報提供システムとは、高速道路本線を走行する本線車両の走行速度等を連絡路(ランプ)を走行する自動運転トラックに情報提供し、本線車両との相対的な位置や速度の調整を支援するシステム
- 国総研官民共同研究で構築した普通車向けのシステムをもとに、自動運転トラック向けのシステムの構築と効果検証を行い、技術基準を策定・展開
検知範囲、情報提供範囲やタイミング、システム構成の妥当性、合流支援が必要なICなどが実証によって検討されるべきとされています。
2.先読み情報提供システム

- 車載センサでは検知できない道路前方の事象の情報(先読み情報)を検知し、高速道路本線の上流部を走行する自動運転トラックに情報提供し、余裕を持った事象回避(車線変更、減速等)を支援するシステム
- 国総研官民共同研究で開発した普通車向けの情報提供フォーマットをもとに、自動運転トラック向けのシステムの構築と効果検証を行い、技術基準を策定・展開
対象となる事象、事象の検知手法、提供タイミングなどが実証によって検討されるべきとされています。
3.道路、交通管理

- 一般道の特定自動運転の緊急時対応は、特定自動運行主任者が担うこととされている。
- 一方、高速道路上で自動運転トラックに不具合が生じた場合、安全性の観点から一般道よりも速やかな対応が必要
- このため、道路管理者、警察の関与について検証し、関係者の役割分担、体制を検討
効率的な遠隔監視を行うための車両情報の共有体制、必要な設備、情報収集の方法などが実証によって検討されるべきとされています。
4.切替拠点

- 自動・手動の切替等のため、SA/PAに切替拠点が求められている。
- 切替拠点としての駐車マスのレイアウト・構造を検証するとともに、自動運転トラックの普及や物流ニーズを踏まえたSA・PA等における切替拠点の在り方を検討。
駐車マスのレイアウトや構造、切替拠点に必要となる施設の検討が実証によって検討されるべきとされています。
5.自動運転車優先レーン

- 自動運転車優先レーンは、一般車との交錯や路上障害物等に関するリスクを低減し、自動運転車が継続走行可能な道路交通環境を確保するための機能を提供。
- 自動運転車優先レーンの有効性等を検証し、必要な機能等を検討。
自動運転車優先レーンの有効性、必要機能、周知方法が実証によって検討されるべきとされています。
検討事項について

自動運転に必要とされる5つのインフラ機能について「実証による検討」と「実証結果も踏まえた検討」を行った上で、インフラ支援の展開をどのように行うかについて検討するとのこと。
自動運転トラック開発側のニーズも踏まえ、2024年度から新東名、2025年度以降に東北道の6車線の一部区間において実証を実施し、実証結果や車両の開発状況、物流ニーズを踏まえ、関東~近畿をつなぐ実証区間以外の6車線区間や4車線区間へと展開し、さらに全国へ展開するという展開イメージがあげられていました。
新東名高速における自動運転トラック実証実験

2024年度に新東名高速道路(駿河湾沼津SA~浜松SA)に自動運転車優先レーンを設定し、車両開発と連携した路車協調(合流支援情報提供、先読み情報提供等)によるレベル4自動運転トラックの実現に向けた実証実験を予定。
自動運転トラック実証実験の進め方

2024年夏に「実験参加者」を公募した上で決定し、2024年度後半に新東名における実証実験を開始し、2025年度以降に東北道にて展開するとのこと。
自動運転インフラ検討会のスケジュール

高速道路については上記で書いた通りですが、一般道と道路交通情報提供の体制やルールに関しては、上記のようなスケジュールとなっています。
「自動運転トラック実証実験」は、実験参加者の公募と決定、または走行実験の開始についてそれぞれ記者発表を行う予定となっています。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。