ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、2025年07月09日に国交省、警察庁、総務省にて立ち上げられた「第3回 自動運転インフラ検討会」が開催されたことをご紹介したいと思います。
自動運転の実現を支援するため、インフラの在り方を検討することを目的に、「自動運転インフラ検討会」 は設立されました。
過去2回の「自動運転インフラ検討会」の概要は以下の通り。
これを受けて、「第3回 自動運転インフラ検討会」では、
- 自動運転の実現に向けたインフラ連携の取組
- 自動運転に係る情報通信インフラの取組
- 自動運転システムへの情報提供に関する対応の方向性
- 今後の進め方
上記の4つの内容について議論が行われました。論点は以下の通り。
自動運転の実現に向けたインフラ連携の取組

「第2回検討会」においては、高速道路は「自動運転トラック実証実験」、一般道は「路車協調・走行空間検討の取組」が議論のポイントとなり、実証実験の検証項目や留意すべき事項の確認、通信インフラや信号情報の提供などについて意見交換がなされました。

2025年3月から新東名高速道路(駿河湾沼津SA~浜松SA)で深夜時間帯に自動運転車優先レーンを設定し、車両開発と連携した路車協調(合流支援情報提供、先読み情報提供等)によるレベル4自動運転トラックの実現に向けた実証実験が実施されています。
今後は、東北自動車道(佐野SA~大谷PA)にてより厳しい環境での実証、先読み技術の高度化について検証を行った上で2026年には多様な道路環境での検証というスケジュール案がでていました。

一般道においては、地域公共交通サービスの維持・確保という課題の解決策として、自動運転の活用が期待されており、道路インフラから自動運転車両に対して交差点等の状況を提供する路車協調システムや、自動運転の継続及び交通全体の安全性向上に資する走行空間の整備により、自動運転移動サービスの実現を支援していくとの方向性が出されています。

海外の動向としては、米中をはじめとして、各国では自動運転技術の社会実装が始まっており、一部地域では既にレベル4の商用サービスが開始されています。
【Waymo(米国) 】
- 2018年12月、アリゾナ州フェニックスで有料のレベル4商用サービスを開始
- カリフォルニア州やテキサス州などの特定エリアでも一般向けサービスを提供
【TESLA(米国)】
- 2024年10月、個人/法人向けの完全自動運転のサイバーキャブを発表
- 2025年6月、テキサス州オースティンにてロボタクシー(自動運転タクシー)サービスを開始
【Apoll Go(中国)】
- 2021年5月、北京で有料ドライバーレスサービスを開始
- 現在、中国国内11都市で無人自動運転サービスを展開
【Pony.ai(中国)】
- 2022年5月、広州市で有償の自動運転タクシーサービスを開始
- 現在、無人自動運転タクシーサービスを北京市、広州市、深圳市、上海市へ拡大
自動運転に係る情報通信インフラの取組
自動運転の社会実装を支える通信システムの導入本格化などを踏まえ、総務省が立ち上げた「自動運転時代の”次世代のITS通信”研究会」にて情報通信インフラに関する検討、とりまとめが実施されています。
以下が基本的な考え方がまとめられた資料となります。

自動運転システムへの情報提供に関する方向性
自動運転システムへの情報提供に関する方向性については、警察庁交通局によって検討されており、「V2N/V2Iによる信号情報提供の実現スキーム」に関して、提供体制や費用負担の在り方が検討され、「交通情報提供に関するルールの在り方」に関しては、情報提供を行う事業者の役割や責任の在り方が検討されており、検討成果の中間報告が行われました。

今後の進め方
今後については、高速道路や一般道における実証実験の検証を行いつつ、ワーキンググループで数回程度ヒアリングを実施し、年度末までに中間とりまとめとして、検討会の成果を報告する案がでていました。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。