ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、高速道路のSA・PAの「大型車駐車マス」拡大についてNEXCOから2024年の実績と2025年の予定が発表されたのでご紹介したいと思います。

近年のEC市場の拡大やニーズの多様化、多頻度・小規模運送の増加等により高速道路の物流輸送量が増加しているといった背景から、平日夜間の大型車駐車エリアを中心とした混雑が顕在化している状況です。

そうした状況から、日本高速道路保有・債務返済機構と道路会社4社が6回にわたって検討会を実施し、高速道路のSA・PAの整備方針について、2023年12月26日に「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する整備方針」として策定されました

上記を踏まえ、NEXCO3社は以下の対策を進めています。

  • 短期的な対策として、敷地内でのレイアウト変更等により大型車駐車マスを拡充
  • 敷地内での対策が難しい箇所では、中長期的な対策として、SA・PA隣接地の拡張やSA・PAの新設等を検討
  • 令和6年度より、複数縦列式(コラム式)や駐車場の立体構造化の導入に向けた検討に着手

その結果として2024年の実績と2025年の予定がNEXCO3社から2025年4月25日に発表されました。

大型車マスについて、2024年度は480台拡充、2025年度は510台拡充(予定)

  • 2024年度は既存エリア内での小型車マスから大型車マスへの描き換えなどにより、全国26カ所のSA・PAにおいて、大型車マス約480台の拡充が完了
  • 2025年度には全国23カ所のSA・PAにおいて約510台の大型車駐車マスの拡充を進める予定

当初の予定通りに進んでいるようですが、更なる駐車マス拡充に向けて

  • 立体駐車場化
  • 大型車専用駐車場の整備

を進めているとのこと。

大型車短時間限定駐車マスについて、2024年度は25箇所完了、2025年度は35箇所拡大(予定)

2023年11月から大型車ドライバーの休憩機会を確保する実証実験として、「短時間限定駐車マス」が順次整備されており、短時間の利用台数増加、回転率増加などの効果が確認されたことから「大型車短時間限定駐車マス」の整備をさらに進めるとのこと。

NEXCOのプレスリリースより

ダブル連結トラック駐車マスについて、2024年度は187箇所完了、2025年度は12箇所拡大(予定)

1台で通常の大型トラック2台分の輸送が可能な「ダブル連結トラック」は、2019年1月に特殊車両通行の許可基準が緩和され、本格運用が開始されています。2024年問題を受けて、物流効率化のためダブル連結トラックの導入が進んでおり、申請者数及び許可件数のいずれも増加している状況の中で、ドライバーの休憩機会を確保するために「ダブル連結トラック予約駐車マス」の実証実験が実施されています。

NEXCOのプレスリリースより

「インターチェンジ内側駐車場」の実証実験

休憩施設の不足を解消するために、休憩施設間の距離が35km以上となる「休憩施設空白区間」についてIC内側の管理用敷地を「臨時駐車場」として整備する「インターチェンジ内側駐車場」の実証実験に着手中とのことで、2025年2月から北関東道の桜川筑西ICで運用を開始し、2025年4月から常磐道の浪江ICで運用を開始したと発表されました。

今後は、利用状況などを確認しながら効果検証をしていくとのこと。

NEXCOのプレスリリースより

一気に解決は難しいかと思いますが、解決に向けてうまく進むことを願っています。