ETCカードをお使いのみなさま、こんにちは。

今回は、総務省にて「自動運転」における情報通信インフラについてどのような議論が進められているのか?をご紹介したいと思います。

自動運転における情報通信インフラとしては、
大きく以下の2つの要素があげられます。

  • V2I通信(直接通信) – Vehicle-to-Infrastructure
  • V2N通信(間接通信)– Vehicle-to-Network

V2I通信」は、インフラ側と車による「ITS用周波数」を用いた「直接通信」で、通信速度や遅延などは「V2N通信」より確保可能性が高いという特徴があります。

V2N通信」は、インフラ側と車による「携帯キャリア網」を用いた「間接通信」で、通信速度・遅延などはベストエフォートだがカバーエリアが広いという特徴があります。

総務省の資料より

すでにETCや安全運転支援システムとして周波数の割当が制度化されている帯域もありますが、制度化が行われていない帯域幅もあります。

国際的にはV2I通信において、「DSRC/セルラーV2X方式」の2方式で導入が進んでいるようです。現状、検討されている情報通信インフラの周波数帯は以下の通りです。

総務省の資料より

世界的に5.9GHz帯の周波数へのV2X通信システムの導入が本格化していることから日本でもV2X通信向けに5.9GHz帯の周波数の追加割当てを行う方向となっています。

※ 「V2X」とは車両と様々なモノとの通信の総称(Vehicle to Everything)

総務省の資料より

現在、デジタルインフラ整備を通じ、安全な自動運転の実装を加速するために以下の2つの取組を実施中です。

  • 分合流円滑化のための5.9GHz帯V2X通信の早期導入に向けた環境整備
  • 安定した遠隔監視のための携帯電話基地局の高度化(5G SA化)支援
総務省の資料より

2024年度に実施予定の「自動運転レベル4トラックの実証実験」において、公道実験の機会を最大限活用し、5.9GHz帯V2X通信の円滑な導入を促進する観点からV2X/V2N通信のそれぞれにおいて有望とされているユースケースに関し、その有効性について多角的に検証・評価していくとのこと。

総務省の資料より

自動運転トラックの実証実験の中で、直接通信の5.9GHz帯V2X通信、間接通信のV2N通信はそれぞれ技術試験、有効性の検証・評価を実施するとのこと。

総務省の資料より

デジタルインフラ整備基金として令和5年度補正予算にて205億円が準備されており、周波数移行、基地局高度化の進捗状況は以下となっています。

「周波数移行」は東北・関東・東海・近畿の総合通信局管轄区域の放送業者からの申請が順次、進展しており、「基地局高度化」は第1回公募での通信事業者からの申請について評価を経た上で2024年秋から交付決定の予定とのこと。

総務省の資料より

自動運転トラックの実証実験の中で行われる5.9GHz帯V2X通信の実証は、令和7年度から本格化を予定しており、その事前検証として、2024年12月頃から公道での電波伝搬実験を実施予定とのこと。

令和7年度には、自動運転トラックの実証実験の中で5.9GHz帯V2X通信による公道でのユースケース実証を実施し、共通的な通信仕様を整理したガイドラインを策定することを目標にしているようです。

その後、令和8年度以降に総務省において、実証結果を踏まえた制度整備の検討をしていく計画とのこと。

以下、「V2X通信に係る取組状況と計画」です。

総務省の資料より

次が「V2N通信に係る取組状況と計画」です。

総務省の資料より

着々と自動運転に関するインフラ整備が進んでいますね。
今後の動向に注目ですね。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。