ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、阪神高速の「淀川左岸線延伸部(豊崎IC~門真JCT)」は2032年度に開通されるのか?について個人的見解を書いてみたいと思います。
「淀川左岸線延伸部」は、政府の都市再生プロジェクトとして位置づけられた「大阪圏の新たな環状道路」の一部を構成する道路で、門真市から大阪市北区豊崎を結ぶ延長8.7kmの自動車専用道路です。場所は以下の通り。

第二京阪と接続することにより、大阪ベイエリアと名神高速道路などの主要な高速道路を結び、物流の効率化や周辺地域との連絡強化による大阪・関西の経済活性化、競争力強化、災害時の避難・救護活動を支える重要な路線です。
2017年度に事業化されました。
「淀川左岸線延伸部」は、用地買収を必要とせず、合理的なルート設定が可能な「大深度地下空間」を利用しトンネルを掘削する方法が予定されています。
※ 大深度地下とは、地下40m以深、または支持地盤上面から10m以深のうちいずれか深い方の地下のことで、「淀川左岸線延伸部」は約70mが予定されています。

「淀川左岸線延伸部」の開通は2032年度と予定されていますが、2025年8月時点では、本格的なトンネル工事の着工は始まっていません。
2032年度の開通に間に合うのでしょうか?
恐らくですが、極めて困難と考えられます。
なぜなら、過去の高速道路のトンネル工事を目安にすると、首都高・中央環状線(大橋JCT~西新宿JCT)の9.4kmは掘削期間が約5年、阪神高速・大和川線(松原~三宅西)の4.4kmは掘削期間が約3年となっており、掘るだけなら3~5年ですが、掘る前の「立坑設置」「発進・到達立坑整備」「地中障害撤去」「シールドマシン組立」などに1〜2年かかり、 完成後も舗装・設備・安全確認が必要なので全体完成までに着工から10年程度かかるからです。
しかも、トンネル工事はさまざまなトラブルがあり、外環道(大泉JCT~東名JCT)の場合は、2020年10月にトンネル工事ルート上の住宅街で陥没や空洞が発生し、シールドマシンが停止する事態となっています。
国と阪神高速は、現時点では公式には「2032年度開通予定」を維持していますが、スケジュールの見直し(遅延)が発表される可能性は高いと考えられます。
阪神高速・大和川線でも当初の予定より複数回開通時期が後ろ倒しになりました。
地質条件や工事遅延を考えると実際の開通は2040年前後というのが現実的ではないでしょうか。今後は以下のポイントが注目です。
- シールド掘削の入札・契約
- 着工日の公表
- 開通予定時期の見直し発表
関西圏の「ミッシングリンク」の1つであるので完成が待ち遠しいですが、じっくり待つしかなさそうですね。

「ミッシングリンク」とは、高速道路に未整備区間があり途中で区切れている区間のことをいいます。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。