ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2025年8月26日に国土交通省が公表した「2026年度予算概算要求」の「高速道路割引関連予算」についてご紹介したいと思います。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より

高速道路関連としては、主要施策の基本方針の中に複数ありました。

1.防災・減災、国土強靭化」の中の「(1)災害に強い国土幹線道路ネットワーク(高規格道路の整備、4車線化)」で言及されていました。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 高速道路の更新・進化のため、料金徴収期間の延長による財源も活用し、暫定2車線区間の4車線化を推進

の記載がありました。

2.予防保全型メンテナンスへの本格転換」の中で「(4)高速道路の大規模更新と機能強化」で言及されていました。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 高速道路会社が管理する高速道路について、計画的な大規模更新と機能強化に取り組みます

の記載がありました。

3.人流・物流を支えるネットワーク・拠点の整備」の中で「(6)交通流を最適化する料金施策の導入」と「(7)道路分野における物流支援」で言及されていました。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 国土幹線道路部会の中間答申を踏まえ、持続可能な高速道路システムの構築に向けた新たな料金体系の導入などの検討を推進します
  • 高速道路の渋滞緩和や地域活性化等に向け、混雑等に応じた柔軟な料金体系の転換に取り組みます

の記載がありました。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 2024年問題をはじめとする構造的な物流危機に対応するため、令和5年6月にとりまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」等に基づき、ドライバーの労働環境改善、省人化・自動化による物流効率化等のための取組を実施します

の記載がありました。

5.道路システムのDX」の中で「(1)自動運転の普及・促進に向けた道路側からの支援」と「(3)行政手続き等のデジタル化による道路利用者の利便性向上」で言及されていました。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 高速道路における自動運転トラックの実現に向けた取組を推進するとともに、自動運転の実現を支援するインフラとの連携方策の検討を推進します

の記載がありました。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 生産性および利便性の向上のため、行政手続きの効率化や、高速道路のETC専用化によるキャッシュレス化、ETCの活用による高速道路内外の各種支払い等の利便性向上を推進します

の記載がありました。

6.道路空間の安全・安心や賑わいの創出」の中で「(3)高速道路の安全性の向上」で言及されていました。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 正面衝突事故防止対策について、長大橋及びトンネル区間において新技術を実道へ試行設置し、効果を検証します
  • 重大事故に繋がる可能性の高い高速道路における逆走対策を推進します

の記載がありました。

道路関係予算概算要求の総括表が以下になります。

国土交通省 令和8年度道路関係予算概算要求概要 より
  • 事業費が前年比1.18倍
  • 国費が前年比1.19倍

と前年度と比較するとかなり多めの概算要求となりました。

2025年8月26日(火)に国土交通省の中野大臣の記者会見があり、本件について言及がありました。

(記者)

来年度への概算要求のポイントと、昨年度までと異なり、物価高を踏まえた既存経費の削減は不要となり今年度予算の1.2倍まで要求できることになった影響等について伺わせてください。

(大臣)

令和8年度概算要求基準においては、本年は、御指摘のとおり裁量的経費は、賃金・物価動向等を踏まえ、これまで求められていた10%の削減は求められず、20%の上乗せの要望、そして義務的経費については、これまでは前年度予算額以下で要求することとされていたところ、今年度は各経費の義務的性格に基づき所要額の要求、そして物価高騰対策を含む重要政策については、引き続き事項要求も含めた要求、これらの要求が可能となったということです。

これを踏まえて、令和8年度予算の概算要求については、物価動向等をしっかりと反映して、一般会計で、前年度比1.19倍の7兆812億円の要求を行うこととしています。

今回の要求の柱については3つあります。

一つ目はまず、「国民の安全・安心の確保」ということで、本年1月に発生した埼玉県八潮(やしお)市の道路陥没事故等を踏まえたインフラ老朽化対策、海上保安能力の強化等について要求します。

また二つ目は、「持続的な経済成長の実現」として、戦略的かつ計画的な社会資本整備や持続可能な観光の推進などについて要求します。

そして三つ目として、「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」として、地域資源を活用したまちづくりや地域交通のリ・デザインの全面展開などの要求を行うこととしています。

また事項要求としては、「第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取組の推進」、また「労務費や資材価格の高騰対策」、「北陸新幹線の新規着工」等に要する経費について事項要求を行い、予算編成過程で検討することとしているところです。

国土交通省としては、これら3本柱の実現に向けて、公共事業予算をはじめ、必要な予算がしっかりと確保されるように、全力で取り組んでまいります。


今後の高速道路料金の新たな料金体系について引き続き、情報を追っていきたいと思います。最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。