ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、2023年2月3日に「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する検討会」から発表された「中間とりまとめ」についてご紹介したいと思います。
「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する検討会」は、高速道路SA・PAの混雑解消等の現時点で明らかになっている社会的な要請に加え、高速道路の社会的ニーズの変化に対応した適切な進化・改良の方向性について幅広い専門的見地から検討を行うことを目的に2022年8月に道路会社によって設立された検討会です。
検討会メンバーは、学識経験者3名、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本、本州四国連絡高速の4道路会社から部長クラスがそれぞれ2名の11名となっています。
設立から約半年が経過して、4回の検討会を実施した上で今回、2023年2月3日に「中間とりまとめ」が発表されました。
高速道路SA・PAにおける現状の課題 とは?
全国には852カ所のSA・PAがありますが、その中の約60%が駐車マス不足となっており、特に大型車における駐車マス不足が顕著であり、混雑状況がリアルタイムで情報配信されていないので、駐車場利用の平準化が図られていないといった問題があります。
さらに、働き方改革関連法で定められた時間外労働時間の上限規制が2024年からドライバーにも適用されることから労働環境改善への対応も喫緊の課題となっています。
将来的な課題としては、EV充電や水素ステーション、中継物流拠点の整備、自動運転やMaaSへの対応など、非常に多くの課題があることがわかります。
以下、「中間とりまとめ」であげられていた課題です。
・駐車マスの不足
・リアルタイムな混雑状況の把握と情報提供
・駐車マスの適正な利用
・労働環境改善への対応
・大型車の長時間駐車
・確実な駐車機会の確保
・休憩施設空白区間の解消
・カーボンニュートラルへの対応
・中継物流拠点の整備
・自動運転の支援
・MaaSへ対応
特に「駐車マス不足」と「労働改善への対応」は、喫緊の課題であるので対策が急がれています。
課題解決に向けた方向性と具体的な対策 は?
このようなたくさんの課題に対する具体的な対策が「中間とりまとめ」では提言されており、具体的には以下のような対策があげられていました。
・SA・PAの園地部や本線遊休地、隣接地の活用
・駐車場の立体構造化
・路外SA・PAの設置
・数台程度が駐車可能なミニPAの整備
・全駐車マスの利用状況の把握
・シャワーブース、24時間営業店舗の整備
・大型車専用のSA・PAの整備
・有料駐車マス、予約駐車マスの導入
これまで道路会社が進めてきたレイアウトの変更などによる駐車マス拡充対策だけでは対応しきれなくなっており、敷地外の活用、駐車マスの有料化や予約といった付加価値の活用に加え、物流の効率化支援も必要となっていることがわかります。
具体的な対策を実行するには、法的な面での整備や財源の確保、負担の在り方などの検討が必要であり、今後も引き続き検討を進めていくと締めくくられていました。
より詳細をお知りになりたい方は、以下の「日本高速道路保有・債務返済機構」のWEBサイトをご覧ください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。