ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、高速道路の料金徴収期間の延長が可能となる「道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案」が、2023年2月10日に閣議決定されたことをご案内したいと思います。

今回の法律案は、

高速道路の料金徴収期間を延長し、併せて高速道路料金の確実な徴収を図るとともに、SA・PA の利便性を高め、高速道路の適正な管理や機能強化を推進するためのものです

法律案が閣議決定されたことに伴い、高速道路の料金徴収期間が2115年まで50年延長される見通しとなりました。(*1)

国土交通省からプレスリリースが出ています。

国土交通省のプレスリリース より
国土交通省のプレスリリース より

内容を抜き出すと以下のようになっています。

  • (1)高速道路の料金徴収期間の延長

    ➀ 高速道路の更新・進化のために必要な事業の追加にあたり、確実な債務返済のために債務返済期間(国土交通大臣への許可申請日から 50 年以内)を設定します。

    ➁ 料金徴収期限を最長で令和 97 年9月 30 日まで延長できることとします。
  • (2)高速道路料金の確実な徴収

    ➀ 車両の運転者に加え、使用者にも高速道路料金を請求できることを明確化します。

    ➁ 軽自動車・二輪車による料金不払いがあった場合、高速道路会社等は、軽自動車検査協会等から使用者の情報を取得することができることとします。
  • (3)SA・PAの機能高度化

    SA・PA における利用者利便に資する施設と一体的に整備される駐車場の整備費用の一部について、高速道路機構から高速道路会社への無利子貸付制度を創設します。
  • (4)地方道路公社等が管理する有料道路の整備促進等

    地方道路公社等が管理する有料道路の整備促進等のため、当該道路のプール制の対象を追加(未供用の道路を追加)します。

今回、法律案が閣議決定されるまでの経緯と背景についてですが、

「高速道路の料金徴収期間の延長」については、国土交通省が、高速道路の料金徴収期限を、2065年から2115年へ50年延長する方針を固め、2023年1月23日召集の通常国会に、道路整備特別措置法などの改正案を提出することは以前、ご紹介しました。

「高速道路の料金徴収期限を2115年へ50年延長する」とした報道に対する国土交通大臣の回答がありました

高速道路料金の確実な徴収」については、「ETC専用化」における課題となっていた「車両ナンバー情報を基に事後徴収する」ための法整備となっています。ETC専用化における課題は以下にまとめてあります。

ETC専用化の課題と対応方針について

なぜこのような法整備が必要なのか?については、以下にまとめてあります。

日本では車のナンバープレート課金は難しい?

SA・PAの機能高度化」については、これまで道路会社が進めてきたレイアウトの変更などによる駐車マス拡充対策だけでは対応しきれなくなっており、敷地外の活用、駐車マスの有料化や予約といった付加価値の活用に加え、物流の効率化支援も必要となっていることに対応するための財源についての法整備となっています。SA・PAの課題と対策は以下にまとめてあります。

【駐車マス不足だけ?】高速道路SA・PAの課題と対策とは?

予想通りの内容ですが、法整備を行い、着々と実行するということと思われます。

(*1) … 法律案は、正式には、閣議決定後に国会に提出され、審議・採決の上で成立します。 政府・与党は、この法律案を今の通常国会に提出し、速やかな成立を行う見通しです。

最後までご覧いただきありがとうございます。