ETCカードをご利用の皆さま、こんにちは。
今回は、2024年1月16日に公表された首都高の「高速道路の更新計画」についてご紹介したいと思います。
首都高は、2023年1月に公表された「高速道路の更新計画（概略）」について具体化を進め、2024年1月16日の国土幹線道路部会での審議を踏まえ、「高速道路の更新計画」を公表しました。
以下、内容についてご紹介したいと思います。
現在の取り組み状況について
2014年度より着手した更新事業を踏まえ、継続的な課題として、地域住民や関係機関との事前調整を円滑に行うため、社会的影響の軽減を考慮した適切な規制方法等の検討や更新事業に対する理解の醸成を図る広報が重要とのこと。
更新計画（概要）について
2014年度から開始した法定点検において、新技術も活用しつつ、より詳細な点検を行ったことにより、新たに更新が必要な箇所が21.6km判明し、抜本的な対策として3,056億円の新たな更新事業が必要としています。
・既存の更新対象：63.7km（全体の19％）
・新たな更新対象：21.6km（全体の7％）
新たに更新が必要な箇所として、羽田トンネルや荒川湾岸橋などがあげられています。
高速道路の現状と課題について
中床版の鉄筋が塩害による全面的な損傷、鉄筋消失やコンクリート剥離等が急速に進展、塗膜の剥離による鋼材の腐食や部材破断等の重大損傷、補強した床版のひび割れや腐食等の損傷の増加などを確認しているとのこと。
このような状況に対して、
・中床版の取り換え
・運用停止中の羽田トンネルバイパス路の活用
・古い塗装を除去した上で高耐久な塗装の実施
・断面欠損や破断に対しては鋼板による補修・補強や取替の実施
・床版上面から床版を増厚する工法の採用
などの対策を計画しているとのこと。
今後の取り組みについて
「新たな更新計画」を進めていく中で取り組む課題として、大きく以下の５つがあげられていました。
１．長期耐久性の確保
２．維持管理性の向上
３．コスト縮減の工夫
４．社会的な影響の軽減及び交通課題への対応
５．法定点検と更新事業の追加
今回の更新計画については、2023年度内に国土交通省より事業許可を受けた後に着手の予定とのことでした。
2024年1月16日開催の国土幹線道路部会でも委員から指摘を受けていましたが、
〇年経ったから高速道路で更新が当然必要となるというのではなく、なぜ〇年でここまで老朽化したのか？当初の設計や見積りのどこに誤りがあったのか？なぜ予測できなかったのか？今後同様のことを繰り返さないためには何に注意すべきか？という検証と反省を踏まえた上で新たな更新についての説明が必要
だと個人的には思います。 過去の誰かを責めるためではなく、将来のために検証とそれを踏まえた計画にしてほしいと切に願います。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。