ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2024年3月22日に国土交通省からトラック運送業の新しい「標準的な運賃」が告知されたことについてご紹介したいと思います。

告知された内容は、

「運賃水準8%引き上げ」+「荷役対価等の加算」を含んだ新たな運賃

となっておりまして、新たな「標準運送約款」についても同日付で告示され、2024年6月1日より施行されることになりました。

これまでの背景としては、

2023年6月2日に「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」で決定された「物流革新に向けた政策パッケージ」にて、トラック運送業の「標準的な運賃」及び「標準運送約款」は2023年度中に所要の見直しを図ることとされていました。

そのような状況の中で、国土交通省は「標準的な運賃・標準運送約款の見直しに向けた検討会」を立ち上げ、トラック運送業の「標準的な運賃」及び「標準運送約款」に係る見直しの論点整理と方向性について、有識者を交え議論しました。

そして、2023年12月7日に検討会から、大きく3点の提言がとりまとめられました。

1.荷主等への適正な転嫁

  • 平均約8%の運賃引上げ(運賃表改定)
  • 燃料費120円、燃料サーチャージ120円(基準価格設定)
  • 荷待ち・荷役等の対価について標準的な水準提示(積込料・取卸料)
  • 荷待ち・荷役が2時間を超えた場合、割増率5割加算(運賃)
  • 運送と運送以外の業務を分離し対価を収受する旨明記(標準運送約款)
  • 有料道路利用料を個別に明記(運賃、約款)

2.多重下請構造の是正等

  • 下請け手数料(運賃の10%)を設定
  • 元請は荷主に実運送事業者の商号・名称を通知することを明記(約款)
  • 荷主・運送事業者は運賃・料金を記載した電子書面を交付することを明記

3.多様な運賃・料金設定等

  • 個建運賃を設定(共同輸配送等を念頭に)
  • 速達割増や有料道路を使用しないことによる割増を設定(運賃)
  • 5車種の特殊車両割増を追加(運賃)
  • 中心手数料の請求開始可能時期、金額を見直し(約款)
  • 運賃・料金のインターネットによる公表を可能に(約款)

この提言を踏まえて、「運輸審議会」にて審議された結果、2024年2月29日に同審議会にて「標準的な運賃として定めることが適当である」との答申がだされ、国土交通省より2024年3月22日に新たな「標準的な運賃」ならびに「標準運送約款」が告示されました。

国土交通省のプレスリリースより

国土交通省からは、「トラックの標準的運賃について、荷主等への周知・徹底を強化するとともに、荷待ち・荷役に係る費用、燃料高騰分、下請けに発注する際の手数料等も含めて、荷主等に適正に転嫁できるよう関係省庁・産業界とも連携し、実効性の確保に努めるとともに、あらゆる手段を講じて、ドライバーの賃上げ原資の確保に向けて取り組んでいく」と発表されています。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。