特大車・大型車などをご利用のみなさま、こんにちは。

阪神高速が実施している「環境ロードプライシング割引」というものをご存じでしょうか?

2001年より実施されている割引なので、知っている方も多いかと思いますが、知らなかった方のために、今回は、この割引についてご紹介したいと思います。

この「環境ロードプライシング割引」は、都心部や住宅地への交通流入を抑制して、大気環境の改善を目的とした割引です。

並行する有料道路の路線間に料金格差を設けることで、この目的を達成しようというわけです。

具体的には、 国道43号・阪神高速3号神戸線ではなく、阪神高速5号湾岸線を利用すると大きく割引きますよ!ということです。

阪神高速ホームページより

ただし、この割引には、対象車両が決まっています。普通の乗用車は対象外で、対象となるのは、特大車、大型車、一部の中型車となっています。

そして、特大車・大型車などの対象車両で、5号湾岸線の対象区間を通行すると、通行料金が原則30%割引されます

注意点としては、中型車については、割引がされるために特定の条件が設定されています。中型車は、ETCコーポレートカードを利用し、かつ、事前に阪神高速のホームページでの登録が必要となっています。この事前登録ですが、毎月20日までに登録すると、翌月1日から割引が適用される仕組みとなっています。

阪神高速ホームページより

特大車と大型車は、無条件(ETC無線通行は必須)で割引されますが、中型車だけは特別な対応が必要なので、注意が必要です。

なぜこのような複雑な仕組みになったかについては、過去の経緯が関係しているようでした。

この「環境ロードプライシング割引」ですが、もともとは、特大車と大型車のみが対象となっていましたが、目標としていた環境基準が達成されなかったことから、1台あたりの排ガス排出量が比較的大きい車両についても5号湾岸線へ転換することを期待して、2010年3月より普通貨物車等(現:中型車)についても対象車両となりました。その後、2017年6月より車種区分を2車種から5車種へ変更したことに伴い、対象車両が特大・大型車と中型車の一部となり、現在に至ります。

そして、なぜ中型車のそれもETCコーポレートカード利用者のみを対象にしているかというと、ETCコーポレートカード利用者は、ETCクレジットカード利用者と比べて、環境負荷の高い車種の占める割合や利用頻度が高いことから、ETCコーポレートカード利用者を対象に限定しているとのこと。

また、事前登録制にしていることについては、対象を中型車まで拡大した効果を検証するためとのこと。

というような状況なので、今後も割引の対象車両や条件、対象道路などが随時変わっていくことも考えられるので、「環境ロードプライシング割引」を利用されている方は、今後の制度変更に注意が必要ですね。

ちなみに、阪神高速での「車種間比率(車種区分)」の激変緩和措置が2022年3月末で終了し、中型車と特大車で値上げとなります。

【2022年4月~】首都高と阪神高の「暫定車種間比率」措置の期限切れに伴う値上げ(対象は中型車と特大車)

阪神高速のHPより

上記に伴い、「環境ロードプライシング割引」の料金も変更になります。(こちらも中型車と特大車に関しては値上げとなります)

また、 現在、阪神高速の料金体系は、普通車で300円~1320円に設定されていますが、過去の経緯や2021年に公表された国土幹線道路部会の「中間答申」を総合的に勘案すると、阪神高速では、2023年頃に首都高と同様に上限料金の引き上げ等の料金体系の変更が入る可能性が高くなっています

詳細は、以下をご参照下さい。

阪神高速は2023年にも上限料金1320円が引き上げられる?(今後の近畿圏の高速道路料金について)

今後も注意が必要ですね。

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初心者スタッフ
環境ロードプライシング割引」 ってなんですか?
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ベテランスタッフ
阪神高速が実施している都心部や住宅地への交通流入を抑制して、大気環境の改善を目的とした割引だね
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初心者スタッフ
具体的にはどんな割引なんですか?
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ベテランスタッフ
国道43号・阪神高速3号神戸線ではなく、阪神高速5号湾岸線を利用すると大きく割引きますよ!というもので、普通の乗用車は対象外で、対象となるのは、特大車、大型車、一部の中型車よ~
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初心者スタッフ
なるほど、普通の乗用車には適用されないんですね。だから一般的にはあまり知られていないんですね。