ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2024年06月21日に、高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第65回国土幹線道路部会」が開催されましたので、内容をご紹介したいと思います。

前回の「第64回国土幹線道路部会」が開催されたのが、2024年5月16日でした。内容は以下でご紹介いたしました。

今回のアジェンダは以下となっています。

   ・能登半島地震を踏まえた広域道路ネットワークのあり方について

今回は、高速道路の通行料金や割引、ETCに関する議論はありませんでした。

道路局長から部会のアジェンダに関した説明があり、その後、事務局からアジェンダに沿った説明と委員との議論に進みました。

これまでの委員からの主な意見

2024年6月中に「令和6年能登半島地震を踏まえた緊急提言」を発表する予定となっており、緊急提言の目的は、能登半島地震の経験を踏まえ、現時点における一定の知見のとりまとめです。

前回、2024年5月16日に開催れた「第64回国土幹線道路部会」では、緊急提言の骨子となる「たたき台」が事務局から提出され、議論されました。

今回は、その議論において委員から出た主な意見がとりまとめられ、資料として提出されていました。資料は以下の通りです。

主な意見のカテゴリとしては、

  • 地域安全保障のエッセンシャルネットワークの早期確立
  • 拠点機能の強化
  • データ活用による災害時交通マネジメントの高度化
  • 災害に備えた体制の強化
  • 地域の新たな価値の創出につなげる道路空間の活用
  • その他

となっておりました。

「第65回国土幹線道路部会」の資料より
「第65回国土幹線道路部会」の資料より

令和6年能登半島地震を踏まえた緊急提言(案)

「令和6年能登半島地震を踏まえた緊急提言(案)」が事務局から提出され、「現状認識」>「教訓」>「提言」という流れで概要がとりまとめられていました。

「第65回国土幹線道路部会」の資料より

上記は概要資料ですが、文書としての「緊急提言(案)」も合わせて事務局から提出されました。

「第65回国土幹線道路部会」の資料より

「緊急提言(案)」の最後は以下のように記載されていました。

 本提言の冒頭で、今般の災害で高規格道路の盛土が大規模に被災しアクセスルートとして十分に機能しなかったことは、道路ネットワークの根幹に関わる課題であると述べた。今回の災害が能登半島に限定されたものではなく、日本全国のどこでも起こり得るという認識の下、この課題への早急な対処が必要である。さらに道路ネットワークを将来にわたって強靭にしていく観点からは、耐震性能の向上のみでなく、老朽化対策なども含めて総合的に強靭化対策に取り組むことが求められる。
 本提言で示した施策の方向を踏まえ、各地域で取組の具体化を図ることにより、将来に向かって道路の災害対応を更に進化させていくことが重要である。
 最後に、能登地域については、人口減少や高齢化が急速に進展するなど、これまでの復興とは異なる困難な状況にある。このような状況下にあっても、地域の復興計画と本提言に基づく道路ネットワーク政策が連携を図ることで、今後、効果的で発展性を持った地域の再建や復興が進むことを期待する。

委員からの意見

主な委員からの意見をご紹介します。

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委員
建設業者等の民間企業との連携については、建設業が地域の基幹産業として持続的に発展できる整備環境を行うということは、道路局だけでなく、国交省全体に共有してほしい
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委員
地域の新たな価値の創出につなげる道路空間の活用については、石川県の復興プランに比べてあっさりしすぎているので、より具体的に関連づけるようにしてほしい
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委員
盛土に関しては、高盛土の被害が大きかったというのを明確にしたい、やってきてはいるけど、まだ手薄だったねというニュアンスを入れてほしい
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委員
道の駅は1,200くらいしかないが、民間施設であるコンビニなども拠点性を帯びているので、道の駅以外についても言及がほしい
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委員
全部の道路というのはどんなに努力をしても防ぎようがないので、集落へのアクセス性に関しては空陸一体の現実性のあるものを道路政策の一環として進めてほしい
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委員
今回起こったことをデータ化することが大事で、災害時の天気に関してはAIを使った分析が行われている、道路に関しても同様だと思う
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委員
緊急提言の構成上、教訓があって提言があるので、教訓の中にない項目が提言の中にあるということにならないようにしてほしい
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委員
能登半島以外の人々が提言を読んだ時に、自分事としてイメージできるようにしてほしい。例えば、いくつかの半島をイメージしてこの提言を適用した場合のシミュレーションをして、読んだ時にどうなるのか?を意図してほしい
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委員
復旧に投入したリソースがどれくらいで、その結果としてのパフォーマンスがどうだったのかを今後のためにもデータで残してほしい

委員からの意見が出きったところで、朝倉部会長が提言の修正に関して一任を取り付けて閉会となりました。

最後までご覧いただきありがとうございました。