ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、「高速道路での逆走対策」についてご紹介したいと思います。
2024年7月24日に国土交通省の有識者会議である「第7回高速道路の逆走対策に関する有識者委員会」が開催されました。
有識者委員会は、重大事故につながる可能性が高い高速道路での逆走に対し、交通工学、自動車工学、安全啓発や交通心理といった幅広い見地から、効果的な逆走対策を検討するために設置され、第1回は、2015年12月に開催されています。
これまでの取り組み
「2020年までに高速道路での逆走事故ゼロをめざす」を目標として、高速道路での逆走対策に関する今後の進め方を示した全体行動計画(ロードマップ)をとりまとめ、2016年に公表し、2016年度以降、ロードマップで示した「今後実現を目指す姿」の方向性に基づき、逆走対策を推進してきました。
その後、2019年9月に「高速道路における安全・安心基本計画」が策定され、高速道路での逆走対策に関し、「2029年までに逆走による重大事故ゼロ」という新たな目標を公表し、2021年度以降、「2029年まで逆走による重大事故ゼロ」という目標達成に向けた逆走対策を推進しています。
逆走の発生状況
逆走事案発生件数は、大きな傾向の変化はなし。
ただし、重大事故件数は最も多かった2015年の26件と比べると2023年は8件と1/3以下になっている。
2022年までに「物理的・視覚的対策」を順次実施していますが、2023年度に対策完了の一部箇所において逆走事案が発生しており、更なる対策の検討が必要とされています。
逆走対策の技術公募について
逆走対策のより一層の促進を図るために、民間企業からの技術公募を開始し、2018年に設定された18技術のうち15技術について現地に設置しています。
それぞれの技術について実施箇所数を増やして検証を継続するとしていますが、前回の公募からのDX技術の進展、スマートフォンの普及、道路管理設備の充実といった変化を踏まえ、それらを活用した新規技術公募を検討するとのこと。
新規に公募するテーマが紹介されていました。
大きな方向性として
- 路車連携による逆走車両の検知とカーナビ、スマホへの警告(Ⅳ)
- 逆走車自身が逆走を検知しカーナビ、スマホへの警告(Ⅴ)
というテーマがあがっており、今後検討されるテーマとして
- 自動運転技術を活用した逆走検知と自動制御(Ⅵ)
があげられていました。公募技術の今後の進め方は以下の通りです。
逆走防止に関する警察の取組
警察庁にて実施している逆走防止に関する取組が紹介されていました。
逆走対策として高速道路会社の広報・啓発活動
高速道路会社が実施している逆走対策の広報、啓発活動が紹介されていました。
テレビCM、YouTube、ポスター、などマスメディアを通じたものから、SNS、テーブルステッカー、交通安全イベントなどによる啓発活動を行っているとのこと。
今後のスケジュール
今後のスケジュールとしては、対策後も逆走が発生する箇所の個別分析を行った上で繰り返し事故が発生する箇所への追加対策を実施し、新規公募する技術の効果検証と現地展開を進めていくとのこと。2029年までに有識者委員会を適宜実施しながら、「2029年までに逆走による重大事故ゼロ」の目標達成へ取り組むとのこと。
「2029年まで逆走による重大事故ゼロ」 というのは、なかなか高いハードルかと思いますが、よりよい高速道路のために利用者としては、達成されることを願っております。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。