ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、「東京湾アクアライン」の料金体系を検討している「第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」が2024年12月03日に開催されたことをご紹介したいと思います。

「東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」は、千葉県、国土交通省、NEXCO東日本、首都高が参加する検討会です。

「第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」の資料より

現在、「東京湾アクアライン」は、2023年7月22日から社会実験として「料金変動制」が実施されており、概要は以下の通りとなっています。

東京湾アクアラインの料金変動制(概要)

対象車両:ETC車(全車種)
対象道路:上り線(川崎方面)
対象日:休日(土曜、日曜、祝日)
料金:以下、普通車の場合
    00時~13時: 800円(通常時)
    13時~20時:1,200円(混雑時)
    20時~24時: 600円(非混雑時)


本検討会では、現状までの交通状況を踏まえ、課題と対応方針について議論されました。

現在の料金変動制における交通状況の課題

  • アクアラインの交通量は増加しているものの、13時~20時の交通が前後の時間に分散し、最大損失時間が減少するなど、混雑の緩和に一定の効果が確認されたところであるが、依然として13時~19時に交通が集中
  • 交通分散の効果の鈍化が継続しており、社会実験開始直後と比較して、所要時間や最大渋滞長の短縮といった効果が減少
  • 土日・祝日の下り線(木更津方面)では、5時~7時に交通が集中。川崎浮島JCTから木更津JCTまでの通過所要時間は、土曜日の7時台に最大25分

対応方針

  • 上り線については、依然として交通が集中している13時~19時の混雑時間帯からの交通転換を図るため、より料金差をつけた料金設定に変更
  • 下り線についても、交通が集中する5時~7時の混雑時間帯からの交通転換を図るため時間帯別料金を新たに試行
「第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」の資料より

対応方針に対して出されたのが以下の「新たな時間帯別料金(案)」です。

新たな時間帯別料金(案)

対象車両:ETC車(全車種)
対象道路:上り線(川崎方面)
対象日:休日(土曜、日曜、祝日)
料金:以下、普通車の場合
    04時~13時、19時~20時: 800円(通常時)
    13時~19時:1,600円(混雑時)
    20時~04時: 400円(非混雑時)

対象車両:ETC車(全車種)
対象道路:下り線(木更津方面)
対象日:休日(土曜、日曜、祝日)
料金:以下、普通車の場合
    04時~05時、07時~24時: 800円(通常時)
    05時~07時:1,000円(混雑時)
    00時~04時: 400円(非混雑時)

「第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」の資料より
「第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」の資料より

上記の内容に対して、本検討会で了承され、今後は、2025年4月からの導入に向けて調整を行うこととなりました。

今回、新たに評価項目と目標設定についても議論があり、評価項目を設定し、分析を進めることとなりました。こちらについては、以前から国土交通省の有識者会議である「国土幹線道路部会」の議論でも出ていた内容であり、それが反映されたものと考えられます。

「第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」の資料より

一般的には、「新たな時間帯別料金」が話題になるかと思いますが、個人的には、事前に目標と評価項目を設定した上で新たな社会実験の効果について分析・検証するという内容が今回追加されたことの意味合いはとても大きいと思います。

以下、議事概要を載せておきます。

「第4回東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」の資料より

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

本社会実験の過去の流れについては以下をご参照ください


(2024.12.04 追記)

2024年12月04日、国土交通省より「東京湾アクアラインにおけるETC時間帯別料金の社会実験内容を令和7年4月から変更します」と正式に発表がありました。

プレスリリースには、

※国土交通省、千葉県の予算の状況等によって、見直す場合があります。

と記載されています。

国土交通省のプレスリリースより
国土交通省のプレスリリースより