ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
2022年度がもう少しで始まりますが、今回は、過去にご紹介してきた高速道路ならびに高速道路利用料金に関するニュースの中から、2022年4月から変わることと、変わらないこと(継続されること)をまとめてご紹介したいと思います。
【2022年4月~変わること】
首都高速の料金が値上げされます。それに伴い、料金上昇を抑えるために大口・多頻度割引の拡充と深夜割引が導入されます。
また、首都高速と阪神高速において5年間設けられていた「暫定車種間比率」の激変緩和措置が終了し、中型車と特大車が値上げされます。
同時に、NEXCO西日本管轄の「近畿自動車道」「阪和自動車道」「第二神明道路」「堺泉北道路」でも「暫定車種間比率」の激変緩和措置が終了します。
首都高と阪神高の「暫定車種間比率」措置の期限切れに伴う値上げ
次に、一定の条件を満たせば、東京外環道の三郷JCTから高谷JCTまで(千葉外環)の料金が割り引かれる「千葉外環迂回利用割引」がスタートします。
その逆ルートでも割引になりますよ。
さらに、NEXCO3社が管理する道路で土日祝に二輪車の料金が割引となる「二輪車定率割引」がスタートする予定です。(事前にオンライン登録が必要)
※ ただし、2022年3月21日時点では、実施要件等の詳細が道路会社から正式には発表されていません。(実施方針は2021年6月に発表済み)
(追記)2022年3月25日に道路会社より正式に実施の発表がありました。
NEXCO3社が管理する高速道路にて「二輪車定率割引」がスタート
そして、令和4年度以降は、ゴールデンウイーク・お盆・年末年始は休日割引が適用除外されることになりました。
【令和4年度~】ゴールデンウイーク・お盆・年末年始は休日割引が適用除外
それと料金とは別ですが、特殊車両通行許可のオンライン申請がスタートします。オンライン申請により、職場や自宅等から24時間申請可能となり、申請窓口への申請書類の郵送・持ち込みが不要となります。また、特殊車両通行許可証も電子発行されますので、手続きの利便性が向上します。
また、都市部は5年、地方部は10年を目標とした「ETC専用化」ですが、まずはNEXCO数か所、首都高34か所の料金所から「ETC専用化」がスタートします。
NEXCO、首都高速の一部料金所にて「ETC専用化」がスタート
次は、変わらないこと(継続されること)です。
【2022年4月~も継続される事】
ETC2.0を利用する自動車運送事業者に対して割引率を拡充する措置は、2022年3月末までとなっておりましたが、2023年3月末まで1年延長されます。
次に、3年ごとに国と千葉県で協議されることになっている東京湾アクアラインの通行料金ですが、「普通車(ETC搭載車)800円」で通行料金据え置きの見込みとなっています。
※ ただし、2022年3月21日時点では、正式には発表されていません。
(追記)2022年3月30日に国土交通省、千葉県、道路会社より正式に3年間割引継続の発表がありました。
東京湾アクアライン800円(ETC普通車)の通行料金据え置き
最後に、今後の方向性についてです。現時点では、以下のように考えています。
【確定】 2022年4月~ 首都圏の料金体系改定(首都高速など)
【予想】 2023年4月~ 近畿圏の料金体系改定(阪神高速など)
【予想】 2024年4月~ 全国料金の料金体系改定(NEXCO、本四など)
阪神圏の料金体系改定ですが、2021年8月に国土幹線道路部会から出された中間答申において、「速やかに実現すべき料金制度のあり方」として、大都市圏の高速道路で「激変緩和措置」として設定されている上限料金の見直しが含まれており、具体的には「首都高に続いて、阪神高等の料金体系についても見直しを検討」という提言となっているためです。おそらく、2023年4月からスタートで、2022年4月に改訂予定の首都高速と同様な内容になると予想しています。
次がNEXCOや本州四国連絡橋などの全国料金ですが、現行料金水準の基準となっているのが、2014年4月から実施された「全国の新たな料金体系の導入」で、こちらは、2024年3月末までの期限となっています。その上で、2021年8月に国土幹線道路部会から出された中間答申においては、「令和5年度末となっている現行料金水準の期限を見据えて、議論を継続する必要がある」とされていることから、2024年4月からは新しい料金体系になると予想しています。
NEXCOなどの全国料金については、10年ぶりの変更となり、見直しの方向性としては、平日朝夕割引は適用時間帯の柔軟化、深夜割引は割引適用時間帯の拡大ならびに割引率の段階化、休日割引は繁忙期の割引適用除外、大口・多頻度割引は拡充と縮小の両面での検討となっており、さらに混雑状況に応じた料金の適用も検討されています。料金水準に見直しが入れば、大きな変更になる可能性もあります。大都市圏料金としては、ターミナルチャージの重複徴収の撤廃、混雑状況に応じた料金割引・割増(戦略的な料金体系)が検討事項となっているので、今後の議論に注目しています。
引き続き、最新情報があればご紹介したいと思います。
今後とも何卒宜しくお願い致します。