国土交通省が2025年5月22日に開催した第1回の「高速道路機構・会社の業務点検フォローアップ検討会」にNEXCO中日本が報告した「直近10年間の業務点検セルフ・フォローアップ」について内容をご紹介したいと思います。
2025年5月22日に開催された第1回の「高速道路機構・会社の業務点検フォローアップ検討会」 については以下をご参照ください。
直近10年間の主な取組
主な取組として大きく4カテゴリの取組が報告されました。
- 高速道路ネットワーク整備、機能強化
- 高速道路の維持管理
- 高速道路空間の進化
- 社会課題解決、地域との協働
「高速道路ネットワーク整備、機能強化」については、直近10年間で5路線、199kmの供用を行い、4車線化・6車線化を推進し、渋滞対策として付加車線の整備を行ってきたとのことでした。
「高速道路の維持管理」については、DXや機械化の導入により効率的な維持管理を行いながら、大規模なリニューアル工事を推進し、大規模滞留の発生を事前に防止するために予防的通行止めを導入してきたとのことでした。
「高速道路の進化」については、高速道路における自動運転実現に向けた実証実験や自動運転レーンの整備を行い、物流効率化のために大型車駐車マスの拡充や短時間限定駐車マス、予約駐車マスの導入をしてきたとのことでした。
「社会課題解決、地域との協働」については、自治体と連携した周遊パスの販売や道の駅、IC周辺開発の実施、高速道路事業で培った技術やノウハウの提供などを行うことで地域社会を支援してきたとのことでした。
今後の10年(国、機構との関係への提案)

国、機構との関係で特に提案したい事項として以下の4点の提案がありました。
- 近年の物価・労務費高騰・社会環境の変化に対する事業費確保策
- 機能強化の取組
- 社会的課題解決や高速道路の進化に向けた取組
- 社会的要請に基づくお客様支援に資する施設整備に要する費用負担の在り方等
この4つの提案にいたる現状認識は以下の通りです。
・近年の物価・労務費高騰・社会環境の変化に対する事業費確保策

労務単価や材料費が高い水準で増加傾向となっており、さらに加速する構造物の老朽化、大雪対策等の社会環境の変化、社会要請への対応も必要であることから、財源確保の検討が必要であると提案がありました。
・機能強化の取組

ビックデータを活用した「ピンポイント渋滞対策」や「暫定2車線の4車線化」、「その他の更なるネットワーク強化」について、債務の返済状況を勘案しつつ、関係機関との緊密な調整がより必要と提案がありました。
・社会的課題解決や高速道路の進化に向けた取組

太陽光発電の導入など「カーボンニュートラルの実現に向けた取組」や自動運転対応など「高速道路の進化に向けた取組」を関係機関と協働して効率的に進めることが必要と提案がありました。
・社会的要請に基づくお客様支援に資する施設整備に要する費用負担の在り方等

プロドライバー向けの支援としてのシャワー施設やガソリンスタンドなどのサービス施設の設置、自動運転車発着拠点の整備などがニーズとして高まった場合に、それらに関する設置・運営・管理費などをだれがどれくらい費用負担するのか?といった議論・検討が必要であると提案がありました。
NEXCO東日本の提案と比べると、「修繕費の高騰や老朽化にタイル財源確保」の部分は同じですが、それ以外は結構違ったものになっているなあという印象でした。特にNEXCO東日本ではまったく触れられていなかった「自動運転対応」や「ニーズの高いサービス施設の整備」など高速道路の維持管理に加えて、高速道路の進化にも重点が置かれた提案になっていたように思いました。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。