ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、「荷主に対する規制的措置」を含む方針案が、国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省合同会議から公表されたことをご紹介したいと思います。
2024年6月に立ち上げられた3省合同会議では、2024年5月15日に公布された「物流効率化法」で規定する荷主・物流事業者に対する規制的措置の施行に向けた検討が行われていましたが、
2024年9月26日、3省合同会議から「荷主・物流事業者に対する規制的措置」を含む方針案が公表されました。
具体的な「荷主に対する規制的措置」は、
物流事業者に定期的にアンケート調査を実施し、荷待ち・荷役時間の短縮や積載率の向上化などの項目ごとに点数化してすべて公表し、悪質な場合は、トラックGメンや公正取引委員会と連携して対応する
とのことでした。また今後は、
荷主企業、物流事業者による物流改善の取組や実施状況についてS・A・B・Cなどのランク評価による見える化を行う仕組みを具体化させる
とのこと。
「合同会議取りまとめ案」として公表された内容には、基本方針、取り組むべき措置の判断基準、中長期計画の作成及び物流統括管理者(CLO)の選任が義務付けられる「特定事業者(特定荷主)」の指定基準などが記載されていました。
「合同会議取りまとめ案」に記載されている「荷主に対する規制的措置」は以下のような内容となっていました。
荷主等の取組状況に関する調査・公表について
- 新物効法第71条では、国は、トラック運送サービスの持続的な提供の確保に資するトラックドライバーの運送及び荷役等の効率化のために必要であると認めるときは、荷主等の判断基準に関して調査を行い、その結果の公表を行うこととされている。
- この調査及び公表の具体的な方法については、以下のとおりとする必要がある。
- トラックドライバーの運送・荷役等の効率化のための取組の実施状況について荷主等を対象とした網羅的な調査を行うことは、事業者数の多さや業種の多様性を考慮すると困難であるため、これらの荷主等との間で貨物のやりとりを行っている物流事業者(トラック、倉庫等)を対象として、定期的なアンケート調査を実施する。なお、当該アンケート調査は、荷主と物流事業者間の関係性を崩さずに実態を聴取できるようなものとすることが求められる。
- 定期的なアンケート調査の実施に当たっては、物流事業者からの回答に基づいて主要な荷主等を抽出した上で、当該荷主等の取組状況について荷待ち・荷役等時間の短縮、積載率の向上等に関する項目別に把握するとともに、これらの回答を点数化し、点数の高い者・低い者も含め公表する。なお、点数の低い荷主等の公表の検討に当たっては、当該荷主等が実際に行っている物流効率化に向けた取組状況をヒアリングするなど適切に実態を把握し、その実態を踏まえ、必要に応じて点数を見直すこととする。
- アンケート調査の結果、荷主等において長時間の荷待ち、契約にない附帯業務、無理な運送依頼等が常態化しているなど悪質な事例を捕捉した場合には、当該事例の実態やそれに対する荷主等の取組状況について、必要に応じて荷主等からのヒアリング調査等を行い、これらの調査結果については、トラックGメンや公正取引委員会等による働きかけや要請等につなげていく。
荷主・物流事業者等の物流改善の評価・公表について
- 「物流革新に向けた政策パッケージ」を踏まえると、荷主企業・物流事業者による物流改善の取組や実施状況等についてランク評価等による見える化を行い、企業の努力が消費者や市場からの評価につながる仕組みの創設に向けて、新物効法の枠組みとあわせて具体化する必要がある。
- 省エネ法の工事規制では、事業者クラス分け評価制度が存在し、省エネ法の定期報告書等を提出した特定事業者をS・A・B・Cの4段階へクラス分けし、クラスに応じたメリハリのある対応を実施するものとなっている。この制度を参考に、新物効法でも類似の評価制度を創設し、荷主・物流事業者等が提出した定期報告書等の内容を確認の上、判断基準に基づく取組の実施状況について優良な事業者、更なる努力が期待される事業者、停滞している事業者、注意を要する事業者のランク評価等による見える化を行い、消費者や市場からの評価につなげる必要がある。
2024年9月27日(金)~10月26日(土)にパブリックコメントを経た上で、年明けに関係政省令を交付することを目指しているとのこと。
かなり具体的な「荷主に対する規制的措置」が出てきましたね。最終的にどのようなものになるか引き続き、フォローしたいと思います。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。