ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、少数与党となった自民党・公明党が物流や高速道路などの道路行政をどのように行っていくのか?について個人的な予想をしたいと思います。
まずは、「法令」についての基本をご紹介しますと、「法律」は国会でつくられ、「政令」や「省令」は行政でつくられます。これは細かなこともすべて国会で決めるのではなく、細かなことは行政に委ね、現場に即したルールにするために定められています。
一般的に「政令」は「施行令」、「省令」は「施行規則」と呼ばれています。
法体系は「憲法」を頂点とした次のような「ピラミッド構造」になっています。
※ 今回の本論ではない議員規則や最高裁判所規則などは省いています
憲法 > 法律 > 政令(施行令) > 省令(施行規則) > その他(規則)
- 「憲法」は、国の最高法規であり、これに反する法律は無効となります。
- 「法律」は、国会が決定し、罰則や権利の制限を課すこともできます。
- 「政令(施行令)」は、「憲法」や「法律」を実施するために内閣が決定するルールです。「法律」から委任された範囲でしか罰則や権利の制限を課すことはできません。
- 「省令(施行規則)」は、「法律」や「政令」を実施するために各省の大臣が決定するルールです。「法律」や「政令」から委任された範囲でしか罰則や権利の制限を課すことはできません。
- 「その他(規則)」は、「法律」に基づいて委員会や庁の長官が定める行政事務に関するルールです。
この中で「政令(施行令)」「省令(施行規則)」「その他(規則)」は「命令」と呼ばれています。
少数与党は、国会で過半数ではないため、与党で決めたことをそのまま国会で「法律」にすることが難しくなります。
以前のように絶対多数与党であれば、有識者会議や委員会、部会で決めたことを閣議決定した場合、原案通りに国会を通過することが確実視されていましたが、少数与党ではそれが難しくなり、閣議決定の重要性が低下することは間違いありません。
しかしながら現実の行政を動かしていかなければなりません。
「予算」のようにどうしても「国会」の決議が必要なもの以外は、「命令」と呼ばれる「政令(施行令)」「省令(施行規則)」「その他(規則)」を新たに定めたり、改正することが多くなってくると予想しています。
2024年11月11日に新しく国土交通大臣に任命された中野国交相は、国交省の出身であり、行政のプロです。このあたりの「命令」を活用した方法を模索してくるのではないかと考えています。
ちなみに「通達」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これは上記のような法体系ではなく、行政機関内部のみで強制力を持つ指示や命令です。上位の行政機関から下位機関に対して出されるもので、国民への法的な拘束力はありません。国税庁が国税局や税務署へ通達を出すケースなどがあります。
上記のような状況を踏まえ、物流や高速道路に関する国交省などの省庁の動きやプレスリリースなどに今後さらに注目していきたいと思います。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。