ETCカードをご利用している皆様、こんにちは!

今回は、 海外で利用されているナンバープレートによる高速道路料金の課金(ナンバープレート課金)がなぜ日本では難しいかについてお話したいと思います。

現在、国土交通省は、「高速道路の料金所のETC専用化」について「都市部は5年、地方部は10年程度での概成を目指す」 としてロードマップを策定しています。

高速道路の料金所のETC専用化」での課題の1つが、車載器を搭載していない車両(非ETC車)の扱いです。

現在、ETCの普及率は約93%となっており、残りの7%が非ETC車となっています。国土交通省では当面の間、非ETCに関しては、

 1.サポートレーンでの料金精算機による当日精算
 2.サポートレーンでの免許証確認による後日支払
 3.サポートレーンでのナンバープレート確認による後日支払

上記のどれかを料金所の状況に応じての選択制で進め、「ETC専用化」した場合は、サポートレーンではなくETCレーン上でのカメラによるナンバープレート読取での事後課金(ナンバープレート課金)を検討しています。

実は、「ナンバープレート課金」は海外ではすでにかなり以前から実施されており、自動ナンバープレート認識※(ANPR、Automatic Number Plate Recognition)技術はその汎用性の高さから、料金徴収以外にも交通違反の取締りや警察の警戒網などさまざまな交通システムにも利用されてます。つまり、「ナンバープレート課金」は、技術的には可能な方式なのです。
ALPR(Automatic Licence Plate Recognition)と呼ばれることもあります

ではなぜ、海外ですでにかなり前から行われている「ナンバープレート課金」がすぐに日本で導入できないのでしょうか?

その原因は、「日本に制度的な問題があるから」です。

日本で「ナンバープレート課金」を行うための課題ですが、大きく2つあります。(カメラの精度向上などの技術面は除く)

1.所有者に支払義務が課されていない

現在の約款では、料金支払義務は「所有者」ではなく、「利用者」であると規定されているので、「利用者または所有者」とする約款等の改正が必要となります。

2.所有者の特定が難しい

現在、道路会社は車両の所有者の情報を持っていないため、複雑な手続きと費用をかけて情報を入手しています。
所有者の特定には、データベースとの照合が必要となりますが、 高速道路会社は、直接のアクセス権がありません。自動車検査登録情報協会等へ所有者確認を依頼する必要があります。
さらに軽自動車や二輪車の場合、高速道路会社から直接、所有者確認ができず、弁護士照会制度を利用する必要があります。

ETC専用化」による非ETC車への「ナンバープレート課金」には上記課題があるため、その解決にむけて、国土交通省も検討を進めているのだろうと思われます。

ナンバープレート課金」は、ETC課金よりもコストと時間を要する懸念があるため、さらなるETC車載器普及のために、車載器購入補助などのキャンペーンを今後も進めたり、「ナンバープレート課金 > ETC課金」のような料金差を設けることによってETC車載器の設置にインセンティブを持たせるような方向性もあるだろうと思われます。
※ 欧米では、料金差を設けたケースがすでに一般化しています

ロンドンなどでは、ナンバーと支払手段(銀行口座引き落とし等)を事前に登録する「事前支払方式」が取られているため、この「事前支払方式」も「ナンバープレート課金」の課金方式の1つとして検討されていると思われます。やはり、「後日郵送による請求書払い」というのがもっともコストと時間がかかる徴収方法なので、それをできる限り少なくする方向が望ましいと個人的には思います。

ETC専用化」 を実現するためには、完全電子化料金徴収AET:All Electronic Tolling)が必須であるため、さまざまな方式が検討されているはずだと思います。

完全電子化料金徴収(AET)」とは、ETC車載器に加えて、ANPR(ALPR)技術によって車両のナンバープレートを読み取り課金する方式を導入することにより、現金収受のない完全に電子化された料金収受方法のことです。

ちなみに、2016年4月1日に施行された法改正によって、ナンバープレートの取り付けや表示に関する新基準が明確化され、ナンバープレートの取付け角度や装着するフレーム、ボルトカバーの大きさについては、2021年10月から新基準が全面適用されますが、この新基準は、将来的な「ナンバープレート課金」への布石なのかもしれませんね。

今後も注目ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。