ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

以前、お伝えしましたように、今後の高速道路の料金体系などの提言として、2021年8月4日に、社会資本整備審議会国土幹線道路部会の「中間答申案」が国土交通省から公表されました。

そして、これに合わせたように、2021年8月31日に、高速道路に特化している公益財団法人「高速道路調査会」にて、長期的視点からの高速道路の料金および課金のあり方、料率、AET(完全電子化料金徴収)を含めた課金方法などを調査・研究していた「高速道路の料金及び課金のあり方に関する調査研究委員会」から2年間にわたる成果の報告が公表されました。

公益財団法人 高速道路調査会

「高速道路の料金及び課金のあり方に関する調査研究委員会」報告書を公表しました – 公益財団法人高速道路調査会

この「高速道路の料金及び課金のあり方に関する調査研究委員会」には、国土幹線道路部会の委員である有識者や、NEXCO3社、首都高、阪神高、本四など道路会社側の幹部社員が委員として参加して具体的な調査、研究を行っているため、報告書も非常に詳細で先進的な内容となっています。

200ページを超えるボリュームのある報告書ですが、高速道路の料金に興味がある方は読んで損はない充実した内容となっていますので、オススメします。

目次は、以下のようになっています。

第1章 内外の道路を取り巻く環境の変化
 1.人口の変化と高速道路交通量への影響
 2.財政状況と燃料税の将来動向
 3.内外の高速道路老朽化の現状と対策
 4.新型コロナウイルスによる道路交通および有料道路への影響
 5.まとめ
第2章 日米欧の高速道路の料金および課金の動向と料金決定原則の国際比較
 1.日本
 2.米国
 3.欧州
 4.その他の国
 5.課金方法の動向
 6.まとめ
第3章 高速道路料金制度の理論的整理
 1.税と料金の違い
 2.料金徴収の目的
 3.料金理論
 4.料金と借入金
 5.投資の側面から見た有料道路事業
 6.公益事業方式による高速道路料金の検討
 7.有識者の意見
 8.まとめ
第4章 新たな高速道路料金制度の検討
 1.現行制度の改善の必要性
 2.新たな高速道路料金制度の検討
 3.車種間の料金比率の検討
 4.料金収受方法の検討
 5.社会的受容性確保のための方策
 6.まとめ

現在「中間答申」が出されたので、それを踏まえた上で、国土交通省道路局と各道路会社にて新しい高速道路料金について具体的な制度設計の調整に入っているかと思います。その際の参考情報として、この報告書が含まれている可能性は高いと思います。

その結果が公表されるのを注視したいと思います。