ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、首都高速が高速道路料金の料金見直しを検討している件についてご紹介したいと思います。

以前、首都高速の「大口・多頻度割引」は、令和8年3月末(2026年3月末)まで継続・拡充となっており、まだどうなるか決まっておらず、2025年度末ギリギリまで発表されないかもしれませんとお伝えしました。

このあたりの料金見直しが首都高速で動き始めました。

「大口・多頻度割引」に変更が入る兆しかもしれません。

首都高速は、2025年10月27日に「首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」を立ち上げ、料金見直しについて検討を開始しています。

検討会の設立趣意には以下のように記載されています。

 首都高速道路(株)(以下 会社)は2005年10月に民営化されてから、今年で20年の節目を迎える。この間、首都圏の経済・生活を支える重要インフラである道路ネットワークの着実な整備を進め、24時間365日にわたって安全・安心・快適な道路サービスの提供のために適切な管理運営を行ってきた。

 しかしながら、近年の人手不足や激甚化する災害、脱炭素社会への対応など、会社を取り巻く環境は大きく変化している。

 本検討会は、近年の会社を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、今後とも持続可能な道路サービスに向けた課題と対応について専門的見地から検討し、提案することを目的に設立するものである。

首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会 設立趣意

2025年11月14日に開催された「第2回 首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」では、2025年内に提言を行うことが確認されました。以下が検討会のスケジュールとなっています。

「首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」の資料より

検討内容についてですが、平たく言えば、「お金が足りない」ということです。

平成26年度と比較して、令和5年度の維持管理コストが約1.4倍になっているとのことで、財源が足りないので、どうするか?を検討しましょうということです。

財源確保案としては大きく以下の3つが出ています。

  • コスト縮減(維持管理コストを減らす)
  • 割引見直し(割引を減らす)
  • 利用者負担(料金を上げる)

この中で「コスト縮減」については、これまでも不断の取り組みを実施して年間約40億円程度のコスト削減を行っており、今後もコスト縮減の努力を続けたとしても確保可能な財源が限定的だとされており、実質的には、「割引を減らす」か「料金を上げる」か、その両方かという話になっています。

首都高速の現在の割引制度は以下の9つです。

  • 大口・多頻度割引
  • 障害者割引
  • 路線バス割引
  • 深夜割引
  • 湾岸線誘導割引
  • 都心流入割引
  • 外環道迂回割引
  • 千葉外環迂回割引
  • 環境ロードプライシング割引

これらの割引のうちのどれか、または複数について割引を減らす方向で検討がなされています。

資料では、「大口・多頻度割引」「湾岸線誘導割引」「都心流入割引」の3つの割引が2026年3月末までの当面の措置である旨が赤字かつ黄色背景で明示されており、このあたりがターゲットかと思われます。

「大口・多頻度割引」に変更が入る兆しかもしれません。

「首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」の資料より

料金を上げる」場合については、以下の3つの案が検討されています。

  • 上限撤廃(上限料金1,950円を撤廃する)
  • 利用毎の負担(現行のターミナルチャージ150円を引き上げる)
  • 料率引き上げ(料率を引き上げる)
「首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」の資料より

現在の首都高速の高速道路料金は以下の通りです。

「首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」の資料より

料金の引き上げ」については、上げ幅が小さいと、利用者の負担は小さくなるが、持続性のある管理運営に支障が出て、上げ幅が大きいと、持続的な管理運営は可能だが、利用者の負担が大きいというトレードオフの関係になっています。

2025年12月1日に開催された「第3回 首都高の持続可能な道路サービスに関する検討会」では、コスト縮減や利用者負担等の必要な対応方針やそれぞれの考え方について意見交換が行われました。

2025年内に検討会として「とりまとめ(提言)」が行われる予定

となっています。注目したいと思います。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。