ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、2025年12月25日に、高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第70回国土幹線道路部会」が開催されましたので、内容をご紹介したいと思います。
前回の「第69回国土幹線道路部会」が開催されたのが、2025年11月19日でした。内容は以下でご紹介いたしました。
今回の部会のアジェンダは以下となっています。
- 関係団体へのヒアリング(全国軽自動車協会連合会)
- 通勤パスの試行状況について
- 首都高速道路料金の検討状況について(報告)
道路局長からアジェンダに関した説明があり、その後、報告と議論に進みました。
関係団体へのヒアリング(全国軽自動車協会連合会)

全国軽自動車協会連合会からは以下の「高速道路料金見直しの影響と懸念事項」についての説明がありました。
- 軽自動車の経済性への影響
- 環境負荷の増大
- 物流・小規模事業者への影響
また、以下の「車種区分見直しに対する考え方」の説明がありました。
- 軽自動車の負担増加の不公平性
- 現行区分の安定性と合理性
- ETCの進化による柔軟な料金設定の可能性
- 軽自動車の特性と公共政策の整合性
その上で、「料金見直しに対する要望」が説明されました。

通勤パスの試行状況について

事務局から現在取り組んでいる「通勤パス」についての現状報告がありました。
また、今後についてはいくつかの観点を踏まえて、高速道路会社にて試行箇所を選定し、試行を通じて箇所、料金設定を検討するとのこと。

以下、「今後のスケジュール(案)」です。

首都高速道路料金の検討状況について(報告)

首都高速から国土幹線道路部会へ料金の見直しについての報告がありました。
以下が、料金の見直しを行った検討会についてまとめたものです。

料金の見直しを検討する背景や検討会での議論の内容についての概要の説明がありました。また料金体系の変遷や現在の割引制度、検討内容などの説明もありました。「料金改定(案)」は以下の通りです。
首都高速の料金改定(案)

「1kmあたりの料金を1割引き上げる」という案になっています。

また、2026年3月末で期限を迎える割引(大口・多頻度割引、都心流入割引、湾岸線誘導割引)は「5年間継続」という案になっています。

首都高速の試算では、今回の値上げによって、年間2700億円から2900億円と200億円の増収となり、「当面5年間の労務費・材料費の高騰分を含めた維持管理費」を確保することが可能とのこと。

委員からの意見
主な委員からの意見をご紹介します。
受益者負担の観点からは普通車と軽自動車はほとんど変わらない。また、道路混雑の観点でも、車間距離などを考えると普通車と変わらないのではないか。
高速道路料金については、社会的な配慮という側面もあるので、全国軽自動車協会連合会から見ての将来的な軽自動車の位置付けは?
軽自動車のメインユーザーを女性、若年層、高齢者としているが、そのユーザーが使用実態として高速道路をどれくらい利用しているのか?
つまり、会社のコストを国が負担しているとも考えられる。混雑するのなら割増にするなど割引と割増を混ぜる設計も必要なのでは?
割引率をどうするか?は道路会社が考えるべきで、それでも部会で議論する意味があるとすれば、高速道路の外にある部分、一般道への影響や社会的に歪んでいないのか?という意味で議論すべき。
もちろん、公共交通がない地域があるというも理解はしているが、これが続くと、ローカル鉄道や地方バスを支援しようというような話にもなる。
交通体系、社会全体としてどうすべきかを考えるべきで、政策目的をもっと明らかにすべき。
大きな議論をここではできないかもしれないけど、個別の割引の議論をずっとしても仕方がないのではないかと思う。
本来は、もっと大きな議論をしてほしい。
委員からの意見が出きったところで、朝倉部会長がとりまとめて、閉会となりました。
最後までご覧いただきありがとうございました。

