ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2023年12月11日に、高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第61回国土幹線道路部会」が開催されましたので、内容をご紹介したいと思います。

前回の「第60回国土幹線道路部会」が開催されたのが、2023年11月10日でした。内容は以下でご紹介いたしました。

【2023年11月10日】高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第60回国土幹線道路部会」が開催されました!

前回の第60回国土幹線道路部会では、珍しく事務局の割引の見直し方針に関して、各委員からかなり厳しい意見が続出していましたが、今回はどのようになったでしょうか。

今回は、「高速道路料金」がメインテーマとなっています。

  1.高規格道路ネットワークについて
  2.高速道路料金の検討状況について

道路局長から挨拶、新しく任命された委員の紹介、朝倉座長からアジェンダについて説明があった後に、事務局からの説明があり、その後各委員との議論に進みました。

1.規格道路ネットワークについて

第61回国土幹線道路部会 資料より

新広域道路交通計画における「高規格道路ネットワーク」は、次世代の高規格道路ネットワークの考え方と整合的であること、地方の意見も踏まえ、速やかに国による指定が望まれると2023年10月31日の「中間とりまとめ」で言及されました。

2023年11月頃から地方の小委員会(地方小委員会等)にて2023年10月31日にまとめられた「中間とりまとめ」の内容について共有と周知が行われました。

第61回国土幹線道路部会 資料より

本日の「国土幹線道路部会」以降にて、地域への意見聴取を踏まえた「高規格道路の指定」を行う予定になっているとのこと。

各地方小委員会等における有識者の意見や地方自治体の意見が資料にまとめられておりました。

2.高速道路料金の検討状況について

第61回国土幹線道路部会 資料より

高速道路料金の検討状況」ですが、「全国料金」として2014年4月より導入されている「3つの料金水準」が2024年3月末で期限が切れます。また、大都市圏料金として「阪神高速」における料金改定(上限引き上げ)が議論されており、2023年内に料金の方針を策定予定となっています。

第61回国土幹線道路部会 資料より
第61回国土幹線道路部会 資料より
第61回国土幹線道路部会 資料より

すでに数度の国土幹線道路部会にて関係団体のヒアリングを実施しており、主なヒアリング内容が資料としてとりまとめられていました。

第61回国土幹線道路部会 資料より

近畿圏の料金に関する主なヒアリング内容もとりまとめられておりました。

第61回国土幹線道路部会 資料より

料金とは別に「割引」については別資料にて現状がまとめられておりました。

第61回国土幹線道路部会 資料より

現在、2021年8月に提言された「中間答申」を踏まえ、割引の内容の見直しと評価を定期的に実施しています。

第61回国土幹線道路部会 資料より
第61回国土幹線道路部会 資料より
第61回国土幹線道路部会 資料より

委員からの意見

委員からの意見ヒアリングでは、

平日朝夕割引に関して、50%の割引が適正なのか?割引時間帯を広げるという選択肢もあるのでは? という意見がありました。

脱炭素社会を目指す上でマイカー通勤を助長する平日朝夕割引をどう考えるのか?という議論が必要なのでは という意見がありました。

料金徴収期間が延長されて大規模修繕などの財源は大丈夫かと思うが、今後の運転手不足や自動運転化など物流と需要の予測などを踏まえて高速道路会社の経営について余力やチェックが必要なのでは という意見がありました。

昨今の物価高で入札不良も起こっているので、それを考えた上での料金設定があるべきではないか、割引の話ばかりではなく、道路会社の経営的視点のシミュレーションをしめしてもらった上で議論が必要 という意見がありました。

割引に関してはシンプルにするという大原則を考えると大口多頻度割引はやめてマイレージに一本化し、余力でドライバーのサポートをするという考えもあっていいのでは という意見がありました。

SAの駐車マスは10時間以上を有料化するなどの対策が必要ではないか という意見がありました。

トラック協会などから圧力があって大口多頻度割引が存在するかと思うが、割引をシンプルにする上で重しになっている、マイレージに一本化する方針を打ち出してほしい という意見がありました。

3つの料金水準は継続でいいが、料金がいくらとは言っていない、10年間議論しないというわけではない、いくらにするかは議論が必要 という意見がありました。

阪神高速に関しては首都高速と同様に上限金額を上げる方向でいい、ドライバーも慣れている という意見がありました。

既存のデータがあるところとないところで議論が違う、データがあるところはデータをもとに検証して施策を打っていき、データがない場合は、事前の想定とシミュレーションを示してから議論をする必要がある という意見がありました。

深夜割引は世の中が注目している、どうやっても色々な意見が出るが、かなり精査してやることが重要 という意見がありました。

今後これらの意見を踏まえ、論点を整理し、とりまとめいくのだろうと思われます。おおむね、3つの料金水準は継続、阪神高速は上限引き上げという方向になりそうです。細かな部分は今後、調整が入るかと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。