ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、「高速道路の渋滞状況とその対策」についてご紹介したいと思います。
高速道路の渋滞状態はどうなっているのか?
「年間の交通量と渋滞発生状況の推移」は以下の通りです。
- コロナ禍を除き、交通量は年々増加する一方、渋滞量は平成20年までは減少していたが、平成21年以降、渋滞量が大きく増加し、その後横ばい
- 令和5年の交通量や渋滞量は、コロナ禍前の水準まで戻っている
平成21年に渋滞量が大きく跳ね上がったのは、高速道路の「休日1,000円」という割引制度が始まったことが原因かと思います。

渋滞の原因としては、「事故」渋滞、「工事」渋滞に比べ「交通集中」渋滞が全体の6割以上と非常に多くなっています。
渋滞発生箇所としては、以下の割合となっています。
- 上り坂・サグ部:44%
- インターチェンジ等:27%
- 接続道路からの渋滞:13%
- トンネル部:6%
- 料金所部:2%
「上り坂・サグ部」が渋滞発生箇所の大きな割合を占めていることが分かります。

平日と休日の交通量の比較でいえば、朝6-7時台以外では、全ての時間帯で休日の交通量が平日を上回っており、全国のほとんどの箇所で休日の交通量が平日の交通量より多くなっています。
これは休日に集中する交通量を分散化させる政策が必要ということで、観光需要の分散・平準化のため、休日と平日のバランスの見直しを進める等の方針が示され、現在は、ゴールデンウイーク・お盆・年末年始・シルバーウイークにおいては休日割引を適用しない方針となっています。

高速道路の料金・割引に関する検討を行う国土交通省の有識者会議である「国土幹線道路部会」では、一部の委員から「休日割引は必要ないんじゃないか?」という意見も出されています。
今後、どうやって渋滞を減らすのか?

現在の状況を踏まえ、国土交通省では、「料金変動による交通需要マネジメント」を目指して、混雑している時は料金を高く、空いている時は料金を安くするような「混雑に応じた柔軟な料金体系」の本格的導入を行うことによって渋滞を緩和する方向で検討されています。
2024年度中に国土幹線道路部会において「混雑等に応じた柔軟な料金体系に向けた当面の実施方針」と「モデル箇所の選定方針」を決めた上で、2025年度以降にモデル箇所での試行実施、試行結果の分析・とりまとめを行い、最終的に混雑等に応じた柔軟な料金体系の本格的実施を進めるというスケジュールが提示されています。
上記に関しては、2024年8月27日に国土交通省が公表した「2025年度予算概算要求」の「高速道路割引関連予算」 でも言及されており、方向性としては明確になっています。
今後の高速道路料金の新たな料金体系について引き続き、情報を追っていきたいと思います。最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。