ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、ETCで高速道路以外の料金が払える新サービスETCX」についてご紹介したいと思います。「ETCX」は、国土交通省が定めた「ETC多目的利用サービス(※1)」です。

まだ利用できる箇所が非常に少ないため、あまり知られていないサービスですが、「ETCX」は、高速道路の料金所ゲートでETCを使うのと同じ感覚で、ドライブスルーやガソリンスタンドなどでキャッシュレス&タッチレス決済が可能になるというサービスです。

ETCX」とは、ありそうでなかったETCの手軽さを生活シーンにまで拡大することを目的とした新たなサービスとなっていて、2021年4月から本格的にスタートしました。

通常のETCとの違いは、

 ・利用者はETCXの会員登録が必要(事前)
 ・決済はETCカードではなく、会員登録時に設定した決済用クレジットカード
 ・決済時に数秒の一旦停止が必要(高速の料金所のようにノンストップは×)

というものがあります。

ETCカードは「認証のみ」に使用し、「決済」は紐づけしたクレジットカードにて行うようになっている点が大きなポイントですね。

なぜこのような違いがあるかは、以下が大きな理由となっています。

 ・ETCXは、高速道路会社ではなく、ETCソリューションズ(株)が運営
 ・「高速道路ETC」ではなく、「ネットワーク型ETC」を利用
 ・ 「ネットワーク型ETC」 の導入コストは安価だが、一時停止が必要

高速道路においても導入コストの問題で「高速道路ETC」が導入できなかった有料道路の支払いに、少しづつ導入が進んでいて、静岡県の「伊豆中央道」や「修善寺道路」などの支払いに導入されています。

利用可能施設(加盟店)は随時増やしていくとのこと

ETCに対応していない有料道路の支払いは、現金が主流でしたが、コロナ対策もかねて、今後は「ETCX」が普及するかもしれません。

現状は利用できる場所が非常に少ないですが、「ETCX」のロゴマークを掲示してある加盟店において、ETC車載機を使い、車に乗ったままで代金などの支払いができます。ETCを通行料以外でのキャッシュレス決済手段として活用するのは初めての取り組みとなっています。

ETCソリューションズでは、「ETCX」を「おサイフカー」とも呼んでいます。携帯電話で決済できるようになった「おサイフケータイ」みたいですね。

ラクラク決済な「おサイフカー」

ETCX」は、おなじみのケンタッキーフライドチキンの相模原中央店で試行運用を実施していたようで、2020年8月からの約4ヶ月間、ETCによるお支払いがドライブスルーに導入されていたようです(現在終了)

下の写真の赤丸で囲まれた部分が、沖電気工業(株)の 「ネットワーク型ETC」 用のETCアンテナとのこと。

日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(提供)

ETCX」は、ドライブスルーや駐車場との相性がよさそうですね。フェリー乗り場やごみ焼却施設での利用も想定されているようです。

注意点としては

 ・車載器は、ETC2.0でなくても利用可能
 ・ETCクレジットカード、ETCコーポレートカードの両方で利用可能
 ・ETCカードでは決済しないのでETC利用照会サービスには反映されない
 ・ETCカードでは決済しないのでマイレージポイントは付与されない
 ・すべてのクレジットカードが決済用として登録できるわけではない
 ・登録するクレジットカード・ETCカードは同一の発行会社のものに限る

「ETCX」に登録可能なクレジットカード一覧

ETCX」は、ソニーペイメントサービス、メイテツコム、沖電気の他、中日本高速道路、三菱プレシジョン、オリエントコーポレーションが「ETCX運営協議会」を組成し、今後も各社が協力してサービスを提供するとのこと。

NEXCO中日本」は、「ETCX運営協議会」のメンバーではありますが、「ETCX」のサービス主体ではありません。ご注意下さい。

また、ETCソリューションズは、ソニーペイメントサービス、メイテツコム、沖電気工業の3社が共同で2020年10月に設立した、ETC多目的利用サービス事業を展開する会社で、ソニーペイメントサービスの子会社です。

※1 – ETC多目的利用サービス
ETC多目的利用サービス」とは、国土交通省にて「駐車場等、高速道路以外の施設でもETC等のITS技術が利用可能とする環境を整備し、利便性の向上を図る」という方針に基づき、令和元年11月11日に、「ETC多目的利用の利用に関する要綱」として定められたサービスです。

ETC多目的利用サービス – 国土交通省

今後、どれくらい普及するか、楽しみですね。