ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2022年4月から料金改定された首都高速の交通状況についてご案内できればと思います。以前、ご案内したように、2022年4月から首都高速では、上限金額の値上げ、大口・多頻度割引の拡充、深夜割引の導入という形で料金改定が行われました。

【2022年4月~】首都高上限値上げ、大口・多頻度割引拡充、深夜割引導入(首都高から正式発表がありました)

この料金改定後の1ヶ月でどのように交通状況が変化したかを国土交通省が調査し、発表したので、その内容をご紹介したいと思います。

結論としては、

 1.長距離利用↓、都心通過↓
 2.千葉外環利用↑、都心通過↓
 3.深夜利用↑、朝夕ピーク↓
 4.渋滞が緩和

と当初、狙っていたような交通状況の変化がおきたということのようです。
ただし、詳細を見ていくと少し印象が異なります

首都高速全体としての交通量は、2021年4月と比較して横ばいで、36km以上の長距離利用は2%減、都心通過は1%減とたしかに「長距離利用↓、都心通過↓」となってはいますが、非常に小さな差であるので、もう少しの長い期間の観測をしないとはっきりとした傾向とは言い切れないと思われます。

国土交通省のプレスリリースより

「千葉外環利用↑、都心通過↓」というのも事実ですが、千葉外環の交通量は、2021年4月と比較して1%増とこちらも非常に小さな差となっています。こちらももう少し観測が必要かと思われます。

国土交通省のプレスリリースより

次に「深夜利用↑、朝夕ピーク↓」ですが、朝夕ピークは2%減とあまり大きな差ではありませんが、深夜利用は前年比で13%増とこちらははっきりとした増加結果となっています。深夜割引導入の効果でしょうか。

国土交通省のプレスリリースより

最後に「渋滞の緩和」ですが、こちらは、渋滞損失時間が前年比で10%減と結果がでており、深夜利用増と同様、はっきりとした傾向が出ていました。

今回の調査結果については、前年比が非常に小さく傾向がみてとれにくいものもありますが、料金改定の結果、深夜利用の増加と渋滞緩和に関しては、はっきりとした効果がでていました

特に渋滞に関しては、前年比で、NEXCO3社が12%増、阪神高速が25%増という中で、首都高が10%減となっているので大きな効果がでているとみることができるかと思います。深夜割引導入により日中利用の一部が深夜利用へ移行した結果と考えると納得感があるかと思われます。

この結果を踏まえて、今後、阪神高速がどのように料金改定を行うのか注目したいと思います。