ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

以前、「福岡都市高速(福岡高速)」についてご紹介しましたが、今回も、福岡県にお住まいの方はご存じでしょうが、福岡県外にお住まいの方は意外と知らない「北九州都市高速(北九州高速)」についてご紹介したいと思います。

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地元では、福岡高速と同じように「都市高速(都市高)」とも呼ばれており、「福岡北九州高速道路公社」が建設・管理をしている道路です。

福岡北九州高速道路公社のロゴ

福岡北九州高速道路公社のロゴは、ブルーは環状の福岡都市高速を、グリーンは環状化を目指している北九州都市高速を表現し、二つの輪の交わりが、都市高速の頭文字の「T」をTOWNそしてTRANSPORTの頭文字の「T」を表しているとのこと。

福岡北九州高速道路公社は、1971年に福岡県、福岡市、北九州市により設立された特別法人です。通行台数、料金収入の推移は以下の通りです。

福岡北九州高速道路公社のIR資料より

福岡都市高速と北九州都市高速は直接は繋がっていませんが、それぞれ、九州自動車道(九州道)と接続しています。

北九州都市高速は、首都高速、阪神高速、名古屋高速、広島高速と同じ「都市高速道路」という有料道路の種類になっています

北九州都市高速の経路図は、以下のようになっています。
九州自動車道、東九州自動車道と接続する道路網となっています。

北九州高速道路の経路図(福岡北九州高速道路公社のHPより)

1980年にまず、赤色と黄色の「1号線、3号線」から建設され、その後、戸畑までつながる緑色の「2号線」が建設されます。1991年には、(旧)日本道路公団管理の一般有料道路だった「北九州道路」と「北九州直方道路」が福岡北九州高速道路公社へ譲渡され、これが「4号線」となります。2001年には、枝光まで繋がるオレンジ色の「5号線」の供用が開始されました。

この「5号線」ですが、1998年に「戸畑大谷線」として福岡北九州高速道路公社の整備計画に追加されましたが、2001年に枝光~大谷間の供用開始後に、建設債務償還が困難とのことで、戸畑~枝光間の整備計画が削除されました。

これを受け、北九州市は、戸畑~枝光間を無料の一般道路事業で整備する方針を決定し、戸畑枝光線として都市計画を変更します。

戸畑枝光線の計画は、1期(牧山~枝光、2.7km、165億)と2期(戸畑~牧山、1.7km、500億)に分けられ、1期は2023年完了、2期は2033年完了とされました。

北九州市が無料道路として整備を進めてきた戸畑枝光線ですが、現在、財政状況などを踏まえ、北九州高速に組み込んだ上で有料化する方向で検討が進んでおり、2022年1月~2月の北九州市における検討資料をざっとピックアップしてご紹介したいと思います。

上記の資料を、平たくまとめれば、戸畑枝光線を北九州高速に組み込んだ上で有料化すれば、北九州市は、40~60億円の事業費用と、年間1億円の維持管理費が削減できるということです。

この検討を踏まえ、都市計画変更、有料道路事業認可などの所定の手続を経て有料化が決定される見込みで、2033年の2期区間が開通し、5号線と2号線が直結すれば、北九州高速の環状化が完成します。詳細は以下のサイトをご確認下さい。

北九州広域都市計画道路 戸畑枝光線他 街路事業 – 北九州市

北九州都市高速の料金は、普通車520円となっていますが、ETC割引があり、ETCマイレージサービス、ETCコーポレートカード割引とは別の独自割引として、以下の4つが設定されています。

 1.日祝日割引(普通車520円→480円)
 2.土曜割引(普通車520円→510円)
 3.夜間早朝割引(普通車520円→500円)←22時~7時
 4.ETC乗り継ぎサービス(戸畑~枝光の 90分以内の乗り継ぎ)

北九州都市高速は、償還が完了した後は北九州市の市道として無料開放される予定ですが、以下の資料では、北九州高速道路の償還終了日が2043年7月となっていますが、北九州高速道路の大規模修繕等の実施に伴い、償還終了日を2053年7月まで10年延長することが2022年3月に発表されました

福岡北九州高速道路公社のIR資料より

【2053年まで】北九州高速道路の料金徴収期間が10年延長されました

償還終了日の延長理由は、高速道路をつくってから時間が経過し、橋梁やトンネルなども含め想定よりも劣化が激しく、耐久性が低下している箇所が散見されるようになったからとのこと。

ただ、償還終了日の延長が10年で足りるのかな?と気になりました。

理由は、福岡北九州高速道路公社から出ている令和2年度の貸借対照表、損益計算書、償却率の推移です。

福岡北九州高速道路公社のIR資料より
福岡北九州高速道路公社のIR資料より
福岡北九州高速道路公社のIR資料より

貸借対照表では、北九州高速の「道路資産」は3,761億円となっており、償還率の推移では、「償還率」は26.2%となっています。そして、損益計算書では、「償還準備金繰入」は78億円です。

単純に計算すると、3,761億円のうち未償還分が73.8%で2,775億円、これを毎年度、約80億円の「償還準備金繰入」で償却すると約35年で償還完了日の2053年を超えてしまいます「戸畑枝光線」がどこまで影響するか、、、、。

それとも隠れ「償還準備金」である「損失補てん引当金積立額」を考慮しているのかもしれませんね。

2033年とまだまだ先ですが、戸畑枝光線の開通に伴う環状化の完成が楽しみですね。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

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