ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、2023年8月29日に、高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第57回国土幹線道路部会」が開催されましたので、内容をご紹介したいと思います。
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前回の「第56回国土幹線道路部会」が開催されたのが、2023年7月4日でした。内容は以下でご紹介いたしました。
【2023年7月4日】高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第56回国土幹線道路部会」が開催されました!
今回は、「高速道路料金」と「広域道路ネットワーク」がメインテーマとなっています。
1.高速道路料金について(関係団体へのヒアリング)
・関西経済連合会
・四国経済連合会
・全国高速道路建設協議会
2.広域道路ネットワークについて
・新たな国土形成計画について(報告)
・高規格道路ネットワークのあり方について
3.今後の進め方
朝倉座長からアジェンダについて説明があった後に、関係団体への意見ヒアリングがありました。
1. 高速道路料金について(関係団体へのヒアリング)
・関西経済連合会

意見のポイントは以下の通りです。
- 環状ネットワークを早期に整備することが必要不可欠
- 公平性の観点から走行距離に応じた対距離料金が目指すべき方向
- 迂回利用割引制度の導入が必要
- 阪神高速も首都高の料金改定時に採用された割引制度の導入・拡充が必要
部会では事前に説明動画を視聴した上での質疑・応答となりました。
・四国経済連合会

意見のポイントは以下の通りです。
- 本四高速での全国共通料金制度の暫定措置(2014~2023年度)の延長
2014年度に導入された「3つの料金水準」において本四高速は、「海峡部等特別区間」とされ、従来「252.72円/km」だった料金が「108.1円/km」へ大幅に値下げされたという経緯があります。この「3つの料金水準」は暫定措置であり、現状では、2024年3月までの措置となっています。
部会では事前に説明動画を視聴した上での質疑・応答となりました。
・全国高速道路建設協議会

意見のポイントは以下の通りです。
- 当面は現行料金制度を維持し、今後の料金制度及び料金徴収期間の検討
- 渋滞対策のためのロードプライシングの導入
- 観光周遊の促進を目的とした周遊パス
- ミッシングリンク解消によるダブルネットワークの構築
- 暫定2車線の4車線化
- 安定的な財源の確保
宮城県の村井知事からの説明がありました。オンラインでの説明でしたが、非常に聞き取りやすく、さすが政治家という感じがしました。
2.広域道路ネットワークについて
・新たな国土形成計画について(報告)

今後概ね10年間の長期計画となる国土形成計画には、「広域的な機能の分散と連結強化」、「持続可能な生活圏の再構築」により、「シームレスな拠点連結型国土」の構築を目指す考え方が示され、2023年7月に閣議決定されました。
「国土形成計画」について事務局から報告と説明がありました。
・高規格道路ネットワークのあり方について


事務局から説明がありました。
今後の進め方

「高規格道路をはじめとする広域道路ネットワークのあり方」についてとりまとめることと並行して、2023年内に「料金についての方針を確認したい」とのこと。
それまでに複数回の国土幹線道路部会を開催し、議論する予定となっています。
委員からの意見
説明の後に委員からの意見ヒアリングとなりました。
宮城県公社に対して「仙台松島道路の有料徴収期間の延長」と「無料道路の早期有料化」を進めてほしいとの意見がありました。(同意見で進めたいと村井知事から回答あり)
周遊パスの期間延長は地域の方へ財政負担を求める考えはあるのか?との意見がありました。 (地域の方ではなく、料金を高くする方向での考えでお願いしたいと村井知事から回答あり)
「韓国の4車線化」について整備手法や財源はどうなっているのか?との意見がありました。
「物流危機」への国民の不安感を払しょくする政策が必要ではないか?との意見がありました。
「高規格道路ネットワークのあり方の論点整理」の中に「財源」もいれておくべきではないかとの意見がありました。
「深夜割引」が「働き方改革」と逆行しないのか?という検討も必要ではないかとの意見がありました。
日本は構想はすごくいいが、実現まで非常に時間がかかる傾向があり、すぐに取り組めそうなものと長期的に取り組むべきものを分けて議論すればよりよい議論になるのではないかとの意見がありました。
非常に幅広い内容の意見がでていたので、今後これらの意見を踏まえ、論点を整理し、とりまとめいくのだろうと思われます。
最後までご覧いただきありがとうございました。