ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2023年10月05日に、高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第58回国土幹線道路部会」が開催されましたので、内容をご紹介したいと思います。

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前回の「第57回国土幹線道路部会」が開催されたのが、2023年8月29日でした。内容は以下でご紹介いたしました。

【2023年8月29日】高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第57回国土幹線道路部会」が開催されました!

今回は、「高速道路料金」がメインテーマとなっています。

  1.高速道路料金に関する報告事項について
  2.高速道路料金について(関係団体へのヒアリング)
     ・(一社)日本旅客船協会
     ・(公社)日本バス協会
     ・広島県

朝倉座長からアジェンダについて説明があった後に、事務局から報告事項があったあとに、関係団体への意見ヒアリングがありました。

1.高速道路料金に関する報告事項について

「第58回国土幹線道路部会」資料より

アクアラインの社会実験について事務局から報告がありました。

「第58回国土幹線道路部会」資料より

諸外国における道路課金について

 1.時間変動料金
 2.プライシング
 3.大型車課金

など非常に多くの事例の紹介がありました。

2. 高速道路料金について(関係団体へのヒアリング)

・(一社)日本旅客船協会

「第58回国土幹線道路部会」資料より
「第58回国土幹線道路部会」資料より

意見のポイントは以下の通りです。

  • フェリーは2024年問題の解決には必要不可欠
  • 高速道路料金の引下げがあれば、廃止・減便が続出する恐れあり
  • 割引の拡大や新たな割引導入は、本四間フェリーに致命傷となる
  • フェリーなど海上輸送に悪影響を与えることのない料金政策を

非常に切迫感のある説明で、コロナ禍での影響で現状が厳しく、業界として瀬戸際にあるという印象を受けました。

部会では事前に説明動画を視聴した上での質疑・応答となりました。

・(公社)日本バス協会

「第58回国土幹線道路部会」資料より
「第58回国土幹線道路部会」資料より

意見のポイントは以下の通りです。

  • 高速道路料金の今以上の値下げには反対

2014年度に導入された「3つの料金水準」において本四高速は、「海峡部等特別区間」とされ、従来「252.72円/km」だった料金が「108.1円/km」へ大幅に値下げされたという経緯があります。この「3つの料金水準」は暫定措置であり、現状では、2024年3月までの措置となっていますが、

料金を上げるのはまったくかまわないが、下げることは絶対にやめてほしいという話が何度も何度も出てきました

部会では事前に説明動画を視聴した上での質疑・応答となりました。

・広島県

「第58回国土幹線道路部会」資料より
「第58回国土幹線道路部会」資料より

意見のポイントは以下の通りです。

  • 本四高速における料金水準の現状維持

広島県の湯﨑知事からの説明がありました。

委員からの意見

説明の後に委員からの意見ヒアリングとなりました。

アクアラインの社会実験について、交通量の変動が思ったより少なかった原因は?実験の認知度はどうだったのか? との意見がありました。(認知度については、利用者からアンケートを取って認知度を調査予定とのこと)

アクアラインの社会実験については、交通量や速度の件も重要だが、数字に表れない国民の受け入れ状況を確認してほしい、諸外国の状況は、誰を対象にして課金しているのか?ドライバーなのか?所有者なのか?を調べてほしい との意見がありました。 (全国で展開していくためには地域の理解や業界の理解をもとめていくためにも分析は進めていきたいとのこと)

アクアラインの社会実験については、ダイナミックプライシングへの第一歩と評価したい、また混雑が発生する2,100台/hを超えると料金を上げるなど価格変動の制度設計の検討など分析を進めてほしい との意見がありました。

「ロードプライシング」という言葉に違和感があり、時間帯料金=ロードプライシングという表現をすると今後いろいろ面倒なことにならないかと心配している との意見がありました。 (安易に使ってしまったという認識があるため、今後は正確に使い分けるようにしたいとのこと)

ダイナミックプライシングの代替交通への影響について聞きたい との意見がありました

物流の2024年問題で大きな主題となっている「モーダルシフト」を踏まえて高速道路料金を考える必要がある との意見がありました

本四高速の料金割引は、マイカー利用の利便性が向上しているが、フェリーに悪影響があるがどのように考えるか? との意見がありました。(公共交通全体として人口減、利用者減を踏まえ、全体的な需要を喚起するために苦慮しているのが現状と広島県知事から回答)

本州四国にある3本の橋の維持・更新に関して「環瀬戸内海地域交流促進協議会」としての考えを聞きたい との意見がありました。

非常に幅広い内容の意見がでていたので、今後これらの意見を踏まえ、論点を整理し、とりまとめいくのだろうと思われます。

最後までご覧いただきありがとうございました。