ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は「川崎縦貫道路」と「外環道(東名高速~湾岸道路)」の整備計画についてご紹介したいと思います。

以前、首都圏3環状道路の整備状況についてご紹介したことがありますが、「中央環状」は2015年に全線47kmが整備され、「圏央道」も全線300kmが整備完了予定となっています。

首都圏3環状道路(中央環状、外環、圏央道)の整備状況について

3環状の中で整備が遅れているのが真ん中に位置する「外環道」です現在、「外環道(大泉JCT-東名JCT)」の16kmの工事が進んでいますが、整備完了時期が見えていません。

さらに「外環道(東名高速~湾岸道路)」の区間については調査中であり、計画すらないという状態です。

今回はこの計画すらない「外環道(東名高速~湾岸道路)」 とそれに関連する「川崎縦貫道路」についてご紹介できればと思います。

「川崎縦貫道路」とは?

川崎縦貫道路」とは、南北に細長い川崎市域を縦断方向に結び、東京湾アクアラインから東名高速道路に至る区間が計画されています。

首都高速の資料より
  • 1期区間(浮島~国道15号):事業中
  • 2期区間(国道15号~東名高速): 計画の具体化に向けて調査・検討中

と2つの区間に分かれて計画されています。「川崎縦貫道路」の主な経緯は以下の通りです。

東京外かく環状道路計画検討協議会の資料より

1期区間(浮島~国道15号)とは?

2010年10月に、湾岸線と横羽線をつなぐ「川崎浮島JCT」~「大師JCT」が開通しましたが、「大師JCT」~「国道15号」については、採算性などの問題によって整備が先送りされています。

国土交通省 川崎国道事務所資料より

整備の再開には、2期区間の計画の具体化が必要とされています。

2基区間(国道15号~東名高速)とは?

2期区間(国道15号~東名高速道路間)については、国はその具体化にあたって、「外環道(東名高速~湾岸間)」との調整を含め幅広く検討するとの方針を示しており、川崎市は2期区間について、外環道との一本化を含めた検討を国に要望しています。

国土交通省 川崎国道事務所資料より

そのような中、「外環道の東名高速~湾岸道路間」の計画の具体化に向けた意見交換、検討の場として、「東京外かく環状道路計画検討協議会」が設立され、当該区間の計画の具体化に向けた検討が進められています。

東京外かく環状道路計画検討協議会とは?

東京外かく環状道路計画検討協議会」は、外環道の東名高速~湾岸道路間の計画の具体化に向けた検討協議会で、国土交通省、東京都、川崎市によって構成されています。

以下のように、2016年から約6回の検討協議会が開催されており、直近では、2023年2月に実施されています。

  • 2016年02月:第1回 東京外かく環状道路計画検討協議会
  • 2017年07月:第2回 東京外かく環状道路計画検討協議会
  • 2017年12月:第3回 東京外かく環状道路計画検討協議会
  • 2018年05月:第4回 東京外かく環状道路計画検討協議会
  • 2019年06月:第5回 東京外かく環状道路計画検討協議会
  • 2023年02月:第6回 東京外かく環状道路計画検討協議会

概ね、早期整備の必要性が高く、速やかに計画を具体化すべきという方向ですが、計画の具体化にあたって透明性の高いプロセスの中で地域への影響をできる限り小さくなるように配慮するという意見が多いため「中々進まない」という状況になっています。

問題点の共有と早期解決という点ではどの団体も一致しています。

東京外かく環状道路計画検討協議会の資料より

第三京浜が都心側の環状道路に接続していない問題は非常に大きく、早期の基本方針のとりまとめが求められています。

東京外かく環状道路計画検討協議会の資料より

外環道のルートについては湾岸道路側への接続として、東京側(昭和島JTC、東海JTC)と川崎側(大師JCT、川崎浮島JTC)の2種類検討されています。どちらの場合でも羽田空港へのアクセス性は大幅に改善するとされています。重要な点としては、川崎側で接続すれば、「川崎縦貫道路」の計画と一本化がはかれるという部分でしょう。

東京外かく環状道路計画検討協議会の資料より

有識者、関係自治体、経済団体などからのヒアリングによると、川崎縦貫道路計画と一本化できることや外環道を完全な環状道路として機能を十分に発揮させることができること、大師JCTでは川崎縦貫道路の空間を活用することができることなどの点から川崎側での接続とすべきという意見が多くありました。

第三京浜との接続については、玉川ICを活用するのか、川崎縦貫道路計画との一本化を優先するのかという感じで決め手に欠ける印象です。ただ、中間ICは支障物件数が少ない川崎市側で、地下構造とするのが良いという意見が多かったと思います。

東京外かく環状道路計画検討協議会の資料より
東京外かく環状道路計画検討協議会の資料より

今後の進め方については、以下の案が出されています。

社会情勢の変化等を踏まえ、計画の基本的な方針の取りまとめに必要となる検討を進めるとともに、引き続き、川崎縦貫道路の計画と一本化する場合について、整備効果や起終点等についての検討を進める。

とのことでした。

東京外かく環状道路計画検討協議会の資料より

早く計画が具体化するといいなあと思いますが中々時間がかかるのでしょうね。

川崎市 – 川崎縦貫道路

引き続き、情報を追っていきたいと思います。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。