ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。
今回は、高速道路SA・PAにて2023年11月から実施している「短時間限定駐車マス」が拡大されることをご紹介したいと思います。
高速道路SA・PAにおける課題 とは?
全国には852カ所のSA・PAがありますが、その中の約60%が駐車マス不足となっており、特に大型車における駐車マス不足が顕著であり、混雑状況がリアルタイムで情報配信されていないので、駐車場利用の平準化が図られていないといった問題があります。
さらに、働き方改革関連法で定められた時間外労働時間の上限規制が2024年からドライバーにも適用されており、労働環境改善への対応も喫緊の課題となっています。
大型車における駐車マス不足への対応
大型車における「駐車マス不足」への対応と大型車ドライバーのより確実な休憩機会の確保を目的に、11箇所の休憩施設において、大型車駐車マスの一部を60分以内の駐車とする「短時間限定駐車マス」 が整備されることが2023年9月にNEXCO3社から発表されました。
これは、長時間駐車車両の存在により、駐車ができずにSA・PAを出ていく大型車が多い休憩施設に、「短時間限定駐車マス」を整備することで、休憩機会の変化や、周辺休憩施設を含めた混雑状況、効果的な整備位置などを検証するためです。
「短時間(60分)限定駐車マス」の拡大
「短時間限定駐車マス」の導入から1年が経過し、短時間(60分以内)の利用台数増加、駐車マスの回転率増加など効果が確認できたため、更なる休憩機会の確保に向け、新たに24箇所で整備を拡大するとのこと。
全国11箇所 → 全国35箇所へ
全国111マス → 全国243マスへ

一方で、「短時間限定駐車マス」に60分以上駐車する車両も一定数確認されたことから、短時間限定駐車マスを実施している一部の休憩施設にて、駐車時間を判定するための「画像処理技術」の導入による情報提供を実施するとのこと。
「短時間限定駐車マス」の実証実験を行った11箇所では、
深夜・朝方を中心に60分以上駐車する車両が約30%
だったとのこと。

「画像処理技術」を導入する場所は、NEXCO各社でまずは1箇所づつ。
状況を確認して導入箇所を拡大していく可能性が高いと考えられます。

「短時間限定駐車マス」から「有料駐車マス」へ
「短時間限定駐車マス」については、以前ご紹介した2023年2月3日に「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する検討会」から発表された「中間とりまとめ」にある対策のひとつです。

ただこの「短時間限定駐車マス」ですが、以下の資料のように「有料駐車マス」への布石と考えられます。
法的整理を行ったうえで、有料マスを順次導入し、最終的には混雑する路線の休憩施設はすべて有料化
と記載されているので、「短時間限定駐車マス」の検証を行った上で、一定期間経過後に「有料駐車マス」化されると予想します。

今回の拡大で「短時間限定駐車マス」を導入するSAは35カ所となり、今後さらなる、試行箇所数・マス数の拡大をしていくことが予想されます。
短時間限定駐車マスの拡大の次は、有料駐車マス、予約駐車マスの導入というステップに入っていくだろうと思われます。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。