ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、2024年08月28日に、高速道路の料金・割引に関する検討を行う有識者会議である「第66回国土幹線道路部会」が開催されましたので、内容をご紹介したいと思います。

前回の「第65回国土幹線道路部会」が開催されたのが、2024年6月21日でした。内容は以下でご紹介いたしました。

今回のアジェンダは以下となっています。

  • 近畿圏における料金改定後(1ヵ月)の交通状況
  • 高速道路における渋滞状況とこれまでの対策の取組
  • 料金変動による交通需要マネジメントの取組事例
  • 諸外国や他交通機関における取組事例
  • 今後の進め方

今回の国土幹線道路部会は、2024年6月21日に閣議決定された2024年度の「骨太の方針」にあるように「高速料金を見直して柔軟な料金体系に転換する」ことを目指しての検討となります。

「第66回国土幹線道路部会」資料より

国土交通省では、「ピークロードプライシング」に係るこれまでの導入実績等を踏まえつつ、国土幹線道路部会で検討を行い、混雑に応じた柔軟な料金体系の本格的導入を目指しています。

道路局長から部会のアジェンダに関した説明があり、その後、事務局からアジェンダに沿った説明と委員との議論に進みました。

近畿圏における料金改定後(1ヵ月)の交通状況

「第66回国土幹線道路部会」資料より

事務局から報告がありました。

内容としては、以下の記事の同じでした。

高速道路の渋滞状況とこれまでの対策の取組

「第66回国土幹線道路部会」資料より

年間の交通量と渋滞発生状況の推移、渋滞の発生原因と発生個所、平日と休日の交通量の比較、季節変動による渋滞発生の変化、朝夕のピーク時間帯の混雑発生、渋滞緩和対策、3都市圏の主な交通集中箇所と対策(首都圏、近畿圏、中京圏)、ネットワークの整備による渋滞緩和事例(千葉外環開通、新名神開通)、ピンポイント渋滞対策の取組(中央道)、ソフト対策による渋滞対策の取組事例(中央道)についての説明がありました。

料金変動による交通需要マネジメントの取組事例

「第66回国土幹線道路部会」資料より

東京オリンピック・パラリンピックの首都高速の料金施策、東京湾アクアライン(上り線)時間変動料金社会実験、地域と連携した観光渋滞対策(広島岩国道路の料金割引)、観光需要の平準化に向けた料金割引の見直し(休日割引・周遊パス)、平日利用の観光周遊の割引拡充・利便性向上についての説明がありました。

諸外国や他交通機関における取組事例

「第66回国土幹線道路部会」資料より

諸外国の道路における渋滞緩和等を目的とした料金施策の取組、諸外国における時間変動料金の事例(アメリカ・オレンジ郡、アメリカ・ロサンゼルス郡、シンガポール)、諸外国におけるエリア料金の事例(ニューヨーク州)、観光施設や公共交通機関等における休日等料金、鉄道におけるオフピーク制度の取り組み、公共交通機関や旅行会社におけるアプリの活用状況についての説明がありました。

今後の進め方

「第66回国土幹線道路部会」資料より

今後の進め方ですが、本部会での議論を経た上で

2024年度中に本部会において「混雑等に応じた柔軟な料金体系に向けた当面の実施方針」と「モデル箇所の選定方針」を決めた上で、2025年度以降にモデル箇所での試行実施、試行結果の分析・とりまとめを行い、最終的に混雑等に応じた柔軟な料金体系の本格的実施を進めたい

とのことでした。

委員からの意見

主な委員からの意見をご紹介します。

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委員
変化は行動変容を期待しているということであり、地域の問題を共有した上で参加・協力していただく姿勢が必要と思う
時間変動料金と各エリアの問題の共有はセットであり、キャンペーンは必須
国民の共有財産としての高速道路であり、行動変容ができないユーザーへの配慮は忘れないでほしい、その上でダイナミックで合理的な施策を検討すべきだ
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委員
アクアラインに関しては、料金変更を認識した上で行動変容をしているのか?などのアンケートをとって分析してほしい
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委員
全体的なことだが、事前に予測を出した上で、予実差を検証し、分析することを強くお願いしたい
予測が間違うことは問題ないが、予実差がなぜ生まれたのか?どういう要因が考えられるのか?等のデータ蓄積にもなるのでぜひ進めてほしい
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委員
料金施策の意図を国民へアピールし、共感していただくべきだと思う
また、高速道路と一般道とのシェアとしてどう変化しているのか?を知りたい
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委員
時間変動料金を検討する時期としては適切だが、国民に納得できる説明が必要だ
アクアラインに関しては600円、1200円という金額が適切かどうかがわからない
この原因は、料金施策に関する評価基準が確立されていないからであり、時間変動料金を実施するなら評価基準の確立が必要
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委員
施策の成果目標が大切であり、アクアラインで実験前より交通量が増えている箇所もある、料金設定がこれがいいのか?もっと料金差をつけるべきなのではないか?より深い分析と検討が必要だ
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委員
休日割引はすぐにやめるべきではないか
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委員
渋滞緩和による料金施策を実施する上で、高速道路の値上げに関する国民のコンセンサスが必要
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委員
長期的な議論ではあるが、現在の日本のETCゲートがある課金方法は古くなっている
課金の技術について多様な方法を検討してほしい

委員からの意見が出きったところで、朝倉部会長がとりまとめて、閉会となりました。

最後までご覧いただきありがとうございました。