ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

今回は、「高速道路料金の計算方法」についてご紹介したいと思います。

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高速道路の料金がどのように決まっていて、どのように計算されるのか、ご存じでしょうか?

実は計算方法が決まっていて公開されています。それが以下の資料です。
ちなみに2021年時点での計算方法です(今後変更になる可能性もあります)

NEXCO東日本の資料より

詳細をご説明しますね。

現在の高速道路の料金水準(1kmあたりの料金)ですが、以前は整備の経緯から、バラバラだった各料金水準は、2014年4月から普通区間のキロ24.6円大都市近郊区間のキロ29.52円海峡部等特別区間のキロ108.1円の3つに統一されています。(ETC無線走行の場合)

以下の資料にあるように、区間によっては大きな値下げとなっています。そして、この値下げは10年間の時限措置であるので、現状では2024年3月までの措置になっています。

ちなみに、現在の高速道路料金は、2013年6月に国土幹線道路部会がとりまとめた中間答申を受け、国交省が2013年12月に「新たな高速道路料金に関する基本方針」を発表し、この方針をもとにして2014年4月から実施されている料金体系がもとになっています

このあたりをより詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照下さい。

高速道路料金に関する議論や検討はどのように料金制度に反映されているのでしょうか?

国土交通省の資料より

3つの料金水準をもとにして、高速道路の料金が計算されているのですが、これ以外にも走行1回あたりに固定で徴収されるターミナルチャージ」と呼ばれる料金があります。(これは全車種共通です)

ターミナルチャージ」はインターチェンジや料金徴収施設の建設費、管理費、料金徴収経費等を参考にして設定されており、鉄道で言うところの「初乗り運賃」に相当します。

ちなみに、「ターミナルチャージ」は、高速国道のみ徴収して、一般有料道路では徴収されていません。

よって、普通車の普通区間では、

   (150円+走行距離km×24.6円)×1.1(消費税)

という計算方式で高速道路料金は算出されています。
端数処理(10円未満四捨五入)
長距離逓減制(100kmを超える長距離を走行する場合、100kmから200kmの部分については25%割引、200kmを超える部分については30%割引)

ちなみに、「長距離逓減制」とは、長距離利用を促進して高速国道の効率的利用を図るために導入された割引制度です。現在の割引率は1989年(平成元年)に設定されたものです。

上記は、普通車に関する計算方式ですが、車種間での料金負担に不公平感がでないように車種区分」が設けられており、普通車を1.0とした「車種間比率」という係数 が設定されています。それが以下の図です。

国土交通省の資料より

基本的には、高速道路の料金の計算方法は以下のような計算式となっています。

  A.ターミナルチャージ(150円)
  B.走行距離(km)
  C.1kmあたりの料金(3区分)
  D.車種間比率(5区分/ 0.8~2.75)
  E.長距離逓減率

高速道路料金=(A+B×C×D×E)×1.1(消費税込)

  ※ 端数処理(10円未満四捨五入)
  ※ 長距離逓減率(長距離逓減制)
  ※ 1万円超の場合は100円未満切り捨て

上記をまとめると、ページはじめでご紹介した図(以下)になります。

高速道路の料金表などを見るとなにか非常に複雑そうですが、計算式にすると意外とシンプルです。

例えば、首都高速は、2022年4月から上限料金が普通車の場合、以下の図のように、1320円から1950円に値上げされました。

2022年4月からの首都高速の料金体系

首都高速や阪神高速は大都市近郊区間なのでキロ29.52円となっており、普通車の普通区間では、

   (150円+走行距離km×29.52円)×1.1(消費税)

という計算方式で高速道路料金は算出されるため、35.7km走行した場合と、55.0km走行した場合で料金を計算すると以下のようになります。

(150円+35.7km×29.52)×1.1=1,324.25 → 1,320円
(150円+55.0km×29.52)×1.1=1,950.96 → 1,950円

※ 端数処理(10円未満四捨五入)

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初心者スタッフ
高速道路の料金って自分でも計算できるんですね。計算式が公開されているなんて知りませんでした。
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ベテランスタッフ
一般的に知られている話ではないよね。ただ、特殊法人だった道路関係四公団が民営化した時に、透明性を高めるために経営や料金の情報開示(情報公開)を積極的に行うことが定められたのでこうなったのよ。
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初心者スタッフ
ちなみに、ターミナルチャージが、一般有料道路にはかからないのはなぜなんですか?
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ベテランスタッフ
一般有料道路は、高速国道を補完する道路ということと、高速国道と管轄が同じ道路会社だからだと思うわ。
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初心者スタッフ
高速国道以外にもターミナルチャージってかかっているんですか?
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ベテランスタッフ
首都高、阪神高は高速国道と同じ150円、本州四国連絡橋は90円という感じだね。ただ、シームレスな交通に向けてこのターミナルチャージの重複徴収が問題になっていることも確かよ。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

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