ETCカードをご利用のみなさま、こんにちは。

日本の高速道路について情報発信を行っていますが、今回は、海外の高速道路と日本の高速道路を「サービスレベル」で比較した資料をご紹介したいと思います。

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以前、海外の高速道路の「割引制度」についてご紹介した記事を以下に貼っておきます。有料制 or 無料制、課金方式、割引方式などをご紹介しています。

【可変料金制?エリア課金?】海外の高速道路料金の割引はどうなっているのでしょうか?

今回は、高速道路の「サービスレベル」という観点での比較です。

  1.都市間連絡速度の国際比較
  2.サービスレベルの課題
  3.暫定2車線道路

1.都市間連絡速度の国際比較

サービスレベル」のひとつとして、「都市間連絡速度(km/h)」で比較した資料が以下のものです。比較対象は、日本、ドイツ、フランス、イギリス、韓国の5か国です。

※ 都市間連絡速度とは、都市間の最短距離を最短所要時間で除したもの

ドイツ、フランスが高く、イギリス、韓国が中間、日本が一番下という状況となっています。ドイツ、フランスは日本より20km/h以上高く、イギリス、韓国でも日本より10km/h以上高くなっています。

上記の図を見ると、日本は、他の国と比較して、都市間連絡速度が、40~50km/h(オレンジ)や50~60km/h(黄色)の道路が多いことがわかります。ドイツや韓国では、大半が70km/h以上(紺)の道路となっています。

上の図は、5か国に中国を加えたものの比較です。中国はドイツ、フランスレベルの都市間連絡速度になっていることがわかります。

このように日本の「都市間連絡速度」が低い要因は、規制速度80km/h以上の道路がドイツは約4倍、フランスは約2.4倍となっていることが挙げられています。

ほぼ同じ距離の高速道路網をもつドイツ、フランスとのこの差は非常に大きく、「規制速度80km/h以上の道路の少なさ」が日本の高速道路のサービスレベルを低くしている一因ですね。

2.サービスレベルの課題

では、高速道路の規制速度を上げれば問題は解決するのでしょうか?

規制速度以外にも平均速度の低下させる要因があります。大きく2つの要因が挙げられています。

  1.道路の規格が低いため、旅行速度が低水準
  2.高規格道路の渋滞による速度低下

つまり、「高規格ネットワークの未整備」と「渋滞」です。

これらが、日本の高速道路の「サービスレベル」を上げるための課題となっています。

3.暫定2車線道路

次は、高速道路のサービスレベルとして別の視点で見たいと思います。それは高速道路の「車線数」です。車線数が多い方が大量の交通が可能になりサービスレベルは上がりますが、日本は残念ながら他国ではほとんどない暫定2車線の高速道路が全体の40%を占める状態となっています。

韓国では、1992年に暫定2車線の全廃を決定し、2015年末にすべて4車線化しております。その結果、高速道路上の死亡率が大幅に減少しています。これは交通量だけではなく、安全性でもサービスレベルが上がっていることを意味しています。

まとめ

海外の高速道路と日本の高速道路を「サービスレベル」で比較すると、日本の高速道路の問題や課題がより鮮明となります。

高規格ネットワークの整備」や「渋滞対策」、「暫定2車線の4車線化」など実行には時間がかかるものが多く、費用もかかります。また「規制速度の再検討」は警察行政との連携も必要です。今後の日本の高速道路政策がどのようになっていくのか注目です。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

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